さすがThinkPadのキーボード、だが……
キーボードの作りやタイプしたときの感触、キーボードレイアウトは、従来モデルと変更ありません。十分なキーピッチ、いまとなっては十分なキーストローク、いまとなっては十分慣れた6段レイアウト……と、ThinkPadシリーズのキーボードは相変わらずスムーズにタイプでき、文章を編み出すときに思考を邪魔しません。タイプして“ぐらつかず”“たわまず”“しっかり受け止める”も、ThinkPadシリーズのキーボードなら当たり前です。
ただし、1つ気になることがありました。タイプしているとキーボードから「熱を感じる」のです。今回の評価作業は7月8日の週で、関東では「梅雨冷」の時期でした。なので、気温が高くて熱が特に不快になる気候でもありませんでしたが、それにしても熱い。負荷状況と場所によっては「アチッ」と思えるほどです。というわけで、実際の温度を確かめるべく、PCMark 10を走らせて30分ほどたった時点で放射温度計を用いてキーボード面の温度を測定しました。
その結果、
・キーボード中央付近が左右部より熱い
・奥ほど熱い
という傾向が確認できた上で、アルファベットキーは左右部で35度前後、中央部で40度程度。ただし、数値キーとファンクションキーの中央部(「7」「8」「F8」「F9」の間)で45.2度を記録しています。PCMark 10のSystem Informationで確認できたCPUとGPUの温度は、最高で90度を超える高さでした。
ディスプレイと表示ズーム設定
ディスプレイはサイズが14型で非光沢タイプのパネルです。そのおかげで、周りが映りこむことなく画面表示に意識を集中できます。X1 Carbon 2019の構成にはタッチパネル(10点タッチ対応)モデルもありますが、その場合でも非光沢タイプのパネルとなります。解像度も構成によって、最高で3,840×2,160ドットの4K(この場合、DOLBY Vision準拠のIPSパネルを採用)、2,560×1,440ドット、1,920×1,080ドットを用意しています。
今回の評価機は、2,560×1,440ドットの構成でした。14型ディスプレイでこの解像度なら広々と使える、と思ったのですが、表示ズーム設定の推奨が「200%」となっていて、なんだかあまり広く感じません。試用中に表示ズーム設定をいろいろと変えてみましたが、150%設定までなら50歳を過ぎた老眼ユーザーでも無理なく視認できています。
念のため、200%と150%のそれぞれで、Edgeを使ってマイナビニュースの記事を表示し、記事本文のフォントサイズを「同」の字で実測してみました。200%では約3.25mm、150%では約2.25mmといったところでしょうか。
本体搭載インタフェースと電源ボタンとACアダプタ出力
本体に搭載するインタフェースは、種類と数は従来のX1 Carbon 2018と共通します。しかし、レイアウトに変更がありました。従来はキーボードの右上にあった電源ボタンを右側面中央に移し、それまでその場所にあったヘッドホン・マイクコンボ端子を左側面に移したためです。
左側面のインタフェースレイアウトは、ヘッドホン・マイクコンボ端子を追加しただけで、他は従来と同様です。HDMI出力、Type-AのUSB 3.0、USB 3.1 Type-C、Thuderbolt、有線LANアダプタ専用コネクタ、USB 3.1 Type-C(電源コネクタも兼ねる)が並びます。なお、ドッキングステーションへの接続は、有線LANアダプタ専用コネクタと2基のUSB 3.1 Type-Cを占有する専用ケーブルを用います。
ディスプレイ上部にはWebカメラも搭載します。構成によって720pのWebカメラのみ、もしくは、720pのWebカメラと顔認証用IRカメラを載せます。720pのWebカメラには、誤ってカメラ画像を公開しないように物理的なカバー「ThinkShutter」を設けています。これは従来モデルでもあった機構ですが、ThinkShutterのスライド形状を改めています。
なお、X1 Carbon 2019にも、nanoSIM対応スロットを設ける予定があるようです。公式Webページで、スロットがある側面図を公開しています。2019年7月時点では、SIMを組み込んだモデルは日本市場で登場していません。