カメラ性能に優れた最新のスマホでなければ、星空やホタルといったテーマの撮影はできないでしょうか? 場合によっては可能です。

今回はGoogle Playで売っているFGAE社の「Camera FV-5」(以下、FV-5)というアプリを使ってみました。多くのマニュアル設定が可能なカメラアプリです。星空やホタルを撮影するような場合は、「長時間露光ができる」「ピント合わせを手動でできる(可能なら無限遠固定にできる)」が条件になります。

  • FV-5というカメラアプリは、スマホのカメラ性能をフルに引き出せます。スマホの機種によっては、このように長時間露光が可能に。無料のLite版で確認してから、有料版の購入を検討しましょう

上記の設定が可能かどうかは、スマホの機種によって異なります。まずは、手持ちのスマホと無料版の「Camera FV-5 Lite」で試してみてください。無料版は撮影の解像度が最大2Mピクセルという制限があります。

Pixel 3とPixel 3aにFV-5をインストールしてみたところ、最長シャッター速度は1/4秒でした。手元にある別のスマホでは、30秒程度まで長時間露光を設定できるものがあり、これでホタルや星空を撮ってみました。

  • 筆者が所有しているスマホの1台、マニュアルピント設定が可能でした、シャッター速度も30秒まで対応する端末があったので、有償版のFV-5を購入。12Mピクセルまでの撮影・記録が可能になりました

設定を変えながら何枚か撮影してみたところ、露光23秒の設定でかなりいい感じの写真が何枚か撮れました。

  • 「ホタルの写真」というと、この長い光の軌跡があると雰囲気がグッと出ます。この写真と以下の2枚は「千葉県いすみの市 源氏ほたるの里」

  • マニュアルモードなので、露光時間は色々と試してみる必要があります。空の部分にも飛んでいるホタルが写っていて、これもいい感じ

  • 星とホタルの両方が写っています(撮影時には星が入ることを想定していませんでした)。ホワイトバランスが若干ずれていますが、これくらいなら修正できます

  • 「千葉県君津市 清水渓流広場」にて

  • 「富士山 御殿場口五合目」にて、スマホのカメラでもこれくらいの写真が撮れます

筆者の手元にあるスマホでは、長時間露光が可能だったのは2台、ピントの無限遠固定ができたのは1台。喜んだのもつかの間、シャッター速度を毎回設定し直す必要があり、実用的とはいえません。マニュアルフォーカスできたスマホも、撮影した写真を見るとピントがずれていました。繰り返しますが、無料版のFV-5 Liteで十分に検証することをおすすめします。

また、スマホは画面をタップしてカメラのシャッターを切りますが、これによってブレが発生します。ブレを減らすために、Bluetoothでシャッターを切れるグッズもおすすめです。Bluetoothシャッターとスマホをペアリングして、スマホカメラのシャッターをワイヤレスで操作できます。Bluetoothシャッターには色々な製品がありますが、安い物なら300円くらいで買えます。

  • シャッターのブレを押さえるために、リモートシャッターがあると便利です。今回、ダイソーで300円(税別)で買ったBluetoothシャッターを使いました

  • FV-5以外にも、カメラアプリは色々あります。こちらはCariya Japanの「星空カメラ」。何枚も写真を撮って自動的に合成するアプリです。無料版だと画像を保存できないので、十分な動作確認をしてから有料版を購入しましょう

スマホカメラにも長時間露光のシーンモードやマニュアル設定を期待

スマホのカメラは進化が激しく、2017年に同じネタ(星空とホタルの撮影)を考えたときは「スマホのカメラでは無理っぽい」という前提でしたが、現在は「スマホの機種」または「アプリ併用」で何とかなります。

手持ち撮影だと手ブレの問題がありますが、カメラアプリに長時間露光の撮影モードとして「ホタル」や「打ち上げ花火」が用意されていれば、スマホカメラの楽しみが増えます。あるいは、デジタルカメラ並みのマニュアル撮影モードがあってもよいでしょう。最近はキレイな夜景撮影をうたうスマホが多くなり、暗い屋内や夜でも失敗写真が少なくなりました。スマホのカメラに、今後どのようなモードが入ってくるか期待です。

  • ファーウェイのスマホ(カメラアプリ)には、プロモードというマニュアル設定が用意されいます。これを使えば、今回のような撮影もだいぶ楽になりそうです(P20、P30、P30 lite、Mate 20 Proは、30秒までの長時間露光に対応)。また、OPPOの「R17 Pro」も、16秒までの長時間露光に対応しています