お手ごろ価格のADC-A060、味の再現性は優秀

得平:3カップ分で淹れた場合、濃さがあり、コク、苦味、甘さも楽しめました。ただし、抽出時間が長いためか香りはやや欠け、ハンドドリップにはかないません。これは5カップ分で淹れたときはより顕著に感じられ、雑味が増していました。

得平:ハンドドリップはコーヒーの味がストレートに出るので、コクと苦味を重視する人ほど、ハンドドリップが適しています。ハンドドリップに近づけるには豆の量を少し多めに使ったり、蒸らし時間や水の量などで工夫の余地があると感じました。

ちなみに、ADC-A060のテイストマイスターをマイルドにした場合も試しました。これは濃い味が苦手な人向けで、コーヒー好きには少々もの足りない味になりそうです。

最後にお手入れもチェック。

ADC-A060のお手入れは、コーヒーを淹れたあとにフィルターの温度が下がってから、コーヒー粉をペーパーフィルターごと捨てて、フィルター、テイストマイスター、水タンク、コーヒーサーバーなどを洗います。取扱説明書では、洗剤を薄めた水またはぬるま湯で、スポンジや歯ブラシでていねいに洗ったあと、乾いた布で水分を拭き取り、充分に乾燥させるようにと書かれています。こう書くと面倒そうですが、実際に洗ってみると、水分を拭き取りづらい場所も特になく、スムーズに片付けられました。

  • コーヒー粉はペーパーフィルターごと捨てれば良い

コーヒーメーカーを使うのは、「朝の忙しい時間でも簡単に美味しいコーヒーが飲みたい」「ハンドドリップで美味しく淹れる自信がない」といった理由でしょう。街のサードウェーブコーヒーの味を自宅でも楽しみたい……そんな人にとっても、ADC-A060はぴったりといえそうです

得平:比較的お手ごろな価格の製品にもかかわらず、専門店の味に近い抽出が得られました。今回用意した豆は200gで1,050円、1カップあたり約32円です。コストを気にするユーザーにもオススメです。

諸山泰三

諸山泰三(もろやまたいぞう)
PC雑誌の編集者を経て、家電流通専門誌の編集者となり、現在は家電流通誌やマイナビニュース・デジタルなどのネット媒体で執筆。カフェで原稿を書くことも多く、いろいろなカフェやコーヒーメーカーを体験した。得平がフワッティ・カフェ名義で監修した「ツウになる!コーヒーの教本」(秀和システム刊)にも協力。本連載では評価のアシスタントと執筆を担当。