ハイブリッド型のワイヤレスイヤホン、驚きの価格
BA型とダイナミック型のドライバーは、それぞれ奏でる音に特徴があります。当然ながらBA型、ダイナミック型のどちらかだけを搭載したイヤホンも数え切れないほどありますが、ハイブリッド方式としてBA型とダイナミック型を組み合わせることによって、相乗効果を上手に引き出しているイヤホンにも注目が集まっています。
ハイブリッド方式のイヤホンは、これまで有線接続タイプの中高級モデルに多くの名機がラインナップされてきました。ワイヤレスであり、価格が13,000円(税別)の「WE-BD21d」は、驚きのコスパといえそうです。カラバリはブラックとシルバーの2色で、6月8日に発売となりました。
ダイナミック型のドライバーは8.6mm口径。歪みのないしなやかな低音が音楽の足場を支え、さらに2つのBA型ドライバーによる中低音が広々とした音場を描き出します。
WE-BD21dは、最大48kHz/24bitのハイレゾに迫る高品位なBluetoothオーディオリスニングを実現する、クアルコムの上位オーディオコーデック・aptX HDに対応。aptX HDをサポートするスマホ「Xperia 1」に接続して、その実力を確かめてみました。
上原ひろみのピアノトリオでは、躍動するピアノのメロディを太くパワフルなベースラインが支えます。その安定感は堂々たるもので、まるでスピーカーで音楽を聴いているような鳴りっぷりのよさでした。熱量も圧倒的。ドラムスのハイハットやシンバルのきめ細かな余韻が、ゆったりと空間を満たしていくような手応えも絶品です。aikoの名曲「カブトムシ」は再生を始めた途端、耳の奥をくすぐるような甘く繊細なボーカルにノックダウンされてしまいました。
イヤホンのハウジング素材は、TE-BD21fと同じく剛性の高いアルミニウム。シリコン製イヤーチップのほか、付属のスタビライザーを装着するとさらに安定感が増してきます。音楽を聴かないときは耳から外して、ペンダントのようにハウジング側面に設けたマグネットを背中合わせに付けられるので便利。本体はIPX5相当の防滴設計で、スポーツシーンでも使えるイヤホンです。
内蔵バッテリーにより、約13時間の音楽再生が可能。aptXコーデックによる接続時には、やはり連続再生時間が2割~3割ほど短くなります。
発表会に登壇したバリュートレードの代表取締役 土山裕和氏は、「これまでAVIOTはワイヤレスイヤホンの幅広いライナップをそろえてきた。今回の新製品はいずれも、日本人のオーディオエキスパートたちが音質にこだわって設計してきたAVIOTの"Japan Tuned"のなかでハイエンドなモデル。ぜひ、耳の肥えたオーディオファンのみなさまに楽しんでほしい」として、完成度の高さをアピールしていました。