コストパフォーマンスの高いイヤホンで定評ある日本のオーディオブランド・AVIOT(アビオット)から、2つの新しいワイヤレスイヤホンが発表されました。新製品は「ハイブリッド・トリプルドライバー」を搭載したことが共通の特徴。6月7日に実施された発表会の様子とともに、各製品を紹介します。

  • コンパクトなハウジングに3つのドライバーを搭載した、AVIOTの新ワイヤレスイヤホンが発売されます

ワイヤレスイヤホン=左右独立筐体の完全ワイヤレスイヤホン、といわんばかりに、今はケーブルレスを徹底的に追求した製品が注目を集めています。AVIOTのラインナップでも、最近ではクアルコムの最新オーディオ用SoC「QCC3026」を搭載した完全ワイヤレスイヤホン「TE-D01d」や、入門機の「TE-D01g」などがヒットを飛ばしています。そしてまた、AVIOTからワイヤレスイヤホンの常識を打ち破る製品が発表されました。

ハイブリッド構成の完全ワイヤレスイヤホン

新製品の「TE-BD21f」は、7月下旬に発売を予定する完全ワイヤレスイヤホン。価格は17,500円(税別)で、カラバリはブラック、シルバー、バイオレットの3色です。バイオレット(すみれ色)のイヤホンなんてあまり見たことがない、という意味でも存在感があるのですが、本機が打ち破った常識はこれだけではありません。

驚きなのはTE-BD21fが搭載する「ハイブリッド・トリプルドライバー」です。音の解像感と切れ味、繊細な中高域の表現力に長けたBA(バランスド・アーマチュア)型のドライバー×2基と、スムーズで力強い低音再生に優れる9mm口径のダイナミック型ドライバー×1基を組み合わせた、計3基のトリプルドライバー構成によるドライバーシステムを採用。低域から高域まで、クリアで力強い音を鳴らします。

  • 完全ワイヤレスタイプの「TE-BD21f」。写真はブラック

  • TE-BD21fのシルバー。光沢があり、高級な質感です

  • 完全ワイヤレスイヤホンとしては珍しく、バイオレットをラインナップしました

今回発表された3つのイヤホンには共通で、AVIOT専用に開発されたツインBAドライバーが搭載されています。ドライバーの開発から手がけたことで、音響設計や小型化が難しく、消費電力の観点からもワイヤレスイヤホンには不向きとされていたハイブリッド方式を実現できたそうです。

  • ハイブリッド・トリプルドライバーの基幹パーツで、AVIOT専用に開発されたツインBAドライバー

7月下旬に発売が予定されているTE-BD21fですが、発表会に展示されていたサンプルがまだ完成前段階だったため、サウンドをチェックできませんでした。左右本体をケーブルでつないだワイヤレスイヤホン「WE-BD21d」(6月8日発売)が、同じくハイブリッド・トリプルドライバー構成なので、こちらの音質をあとでレポートしたいと思います。

TE-BD21fには、クアルコムのオーディオ用SoCである「QCC3020」が搭載されています。先述のQCC3026と同世代ファミリーに位置付けられるICチップで、Bluetooth信号の受信感度が高く、クアルコムが独自開発した完全ワイヤレスイヤホンの接続安定性を高める技術「Qualcomm TrueWireless Stereo Plus」に対応しています。

Snapdragon 855を搭載するスマートフォンのうち、日本国内で発売されるソニーの「Xperia 1」、シャープの「AQUOS R3」は、Qualcomm TrueWireless Stereo Plusに対応するスマホなので、これらのスマホとペアリングすると、音途切れやノイズの発生を抑えられるメリットを実感できるでしょう。

TE-BD21fは、イヤホンのハウジング(本体ボディ)にアルミ合金を採用。凹凸の付いたローレット加工部分には、無垢のジュラルミンから削り出したパーツを用いて質感を高めています。タル型のデザインですが、シリコン製のイヤーチップによって、安定した装着感を得られます。本体はIPX5相当の防滴設計。イヤホンの左右間をつなぐシリコン製ストラップも付属するので、イヤホンを耳から外して、首にかけておきたいとき便利に使えます。

Bluetoothのオーディオコーデックは、aptX、AAC、SBCをサポート。イヤホン単体での連続再生は約7時間ですが、aptX接続の場合は連続再生時間が2割~3割ほど短くなります。付属の充電ケースは500mAhのバッテリーを内蔵し、約3回イヤホンをフル充電できます。ケースの端子には、USB Type-Cを搭載しました。

ピエール中野カスタム、ボイスガイドの主はあの人気声優

完全ワイヤレスイヤホンのTE-BD21fをベースにした、バンド「凛として時雨」のドラマーであるピエール中野氏のカスタムモデル「TE-BD21f-pnk Special Edition」も発表されました。7月下旬の発売を予定します。価格はオープンで、予約開始時期は決まり次第アナウンスされます。

  • ピエール中野氏のカスタムモデル「TE-BD21f-pnk Special Edition」

  • 通常モデルと異なり、TE-BD21f-pnkはパネルカラーがゴールドになります

TE-BD21f-pnk Special Editionは、ピエール中野氏がAVIOTのユーザーであったことからコラボレーションが実現。ピエール中野氏がサウンドチューニングに携わり、外観やパッケージデザインなどもピエール中野氏が全面的に監修しています。なんと、スマホとのペアリング時などに聞けるボイスガイドには、声優の花澤香菜氏が起用されています。コイツは売り切れ必至です!