付属アプリがさらに洗練
システム標準のアプリもさらに洗練されたものになる。「写真」アプリは「日」「月」「年」表示時のサムネイルが拡大されて見やすくなるほか、誕生日、記念日、旅行地といった重要な瞬間・場所で写真をまとめてくれる。
「メモ」アプリでは「ギャラリー」表示が追加されたほか、検索機能が強化され、目的のメモを素早く見つけやすくなる。さらに「共有フォルダー」機能により、ほかのユーザーやグループと複数のメモをフォルダー単位で共有できるようになった。また「チェックリスト」ではチェックした項目をリストの最下段に移動するオプションが追加され、順番の入れ替えもドラッグ&ドロップで行えるなど、実用面で大きく改善される。
「リマインダー」アプリも完全に書き直され、インタフェースが一新したほか、リマインダーにファイルを添付できるようになった。さらにスマートリストで次の予定を自動的にまとめて表示したり、「メッセージ」中に新たな予定になりそうな項目が表示された場合、Siriが新たな項目を作るか提案してくれる。また、リマインダー上でタグを付けておくと、「メッセージ」内で関連する項目の話題が出た時に通知を表示してくれるなど、忘れ物が少なくなるようなインテリジェントな機能が追加されている。
Webブラウザ「Safari」ではスタートページが改良され、より手軽に目的のウェブサイトに到達しやすくなる。具体的には「リーディングリスト」内に登録されたページ上のリンクやiCloudタブ、「メッセージ」内で送信されたリンクなどがスタートページに表示され、コピー&ペーストしたり、アプリを切り替えてリンクをクリックしなくてもアクセスしやすくなるようだ。
iPadとの連携・統合がさらに進化
macOS Mojaveでは、iOS用アプリの「ボイスメモ」「ホーム」「株価」「News」(日本語環境には未対応)が、「UIKit」のMac版を使って開発され、Mac用アプリとして搭載された。Catalinaではこの試みが「Project Catalyst」(Catalyst:触媒)としてさらに強化され、iPadアプリのMacへの移植が容易になる。
Project Catalystの詳細については別記事を参照いただくとして、CatalinaではiPadとの連携機能も強化されており、iPadをMacのセカンドディスプレイとして利用できる「Sidecar」機能が追加された。これにより、作業中アプリのパレット類はiPadに表示して手元に置き、Macの画面は作業中の書類を最大限に表示することが可能(ミラーリング表示も可能)。さらにTouchBarをサポートするアプリの場合、TouchBarがないMacでも、iPadの画面下部にTouchBarを表示できるようになる。
また、iPad上でApple Pencilを使う場合、Mac側のアプリが「Sidecar」機能に対応すれば、Apple Pencilの筆圧感知やサイドボタンも利用できる。いわば、iPadを液晶タブレットとして利用できるわけだ。日本ではイラストレーターなどを中心に液晶タブレットの人気が高いが、今後はメインの作業はSidecarでiPadを液タブ化してMacで行い、外出先などではiPadだけを持っていく、といったスタイルが可能になる。iPad向けのクリエイティビティアプリも急速に増えているだけに、シェアの変動に大きな影響を与えそうだ。
Screen Time
iOS 12で搭載された、ハードウェアを延々と使いすぎていないか監視してくれる「Screen Time」がCatalinaでmacOSにも導入される。Screen Timeはハードウェアの利用状況をモニターし、アプリ毎の利用時間などを週単位でまとめて表示してくれるシステム。Catalina対応したことで、iOS/iPad OS搭載ハードウェアとMacの利用状況をすべて管理できることになる。
またiCloudの「ファミリー共有」を設定している場合、子供のアカウントに対して利用可能な時間やアプリ、コミュニケーションの制限を設定できるようになる。「ペアレンタルコントロール」と合わせて、子供の適切な利用環境を構築するのに役立つだろう。