■妻が作画を担当した漫画『ゴミ清掃員の日常』

――そして、昨年の『このゴミは収集できません』に続いて、5月30日には漫画『ゴミ清掃員の日常』が発売されます。

やっぱり活字が苦手な方もいらっしゃいますし、漫画だったらより広く読んでもらえるのではと考え、漫画化したいなとはずっと思っていました。文字だと伝わりにくくても、絵だと視覚的に説明できるネタもあるので、また違った楽しさがありますね。

――また、今作では奥様の友紀さんが作画を担当されています。

妻が書置きに絵を描いていて、それが上手かったんですよ。「嫁が書いてくれたらいいのにな」と思いつつも、断るかなって聞いてみたら、「やってみようかな」と言ったのでビックリしましたね(笑)。別に漫画家だったわけではないですし、素人が1から始めたにもかかわらず、これだけのクオリティのものを作れるんだなと感心します。そういった意味では、妻も協力者の1人ですね。

――奥様との共同作業となったわけですが、執筆中のエピソードをお聞かせください。

やっぱり同じ話題についてしゃべることが増えましたね。今回をきっかけに、妻もさらにゴミに対する関心が高くなり、そこから会話が広がったりもしました。それまでは仕事の話をすると、妻は嫌がったので、しなかったですし。共通した目的で何かをするということは、家庭円満の秘密かもしれないです。

――漫画『ゴミ清掃員の日常』を通して、伝えたいことはなんですか。

ゴミの世界に興味を持てなかった人にも、興味を持てるような内容になっていますので、まずは手に取っていただけたらうれしいです。人生は山あり谷あり。そんなゴミ清掃員の方のエピソードも紹介しています。ゴミ清掃員になって良かったことの1つは、いろんな人に出会い、学ばせてもらったことです。人生の視野が広がりました。そういった話も書いてあるので、なにか人生のお役に立てたらうれしいですね。

――それでは最後に、今後の目標をお聞かせください。

いずれかは今回の漫画が、映像化されたらうれしいです。俺の相棒の西堀(亮)が俳優みたいなこともやっているので、僕が原作で、西堀が俳優として出演できれば、マシンガンズとしてもいいのかなと。それは1つ目標ですね。あとは子ども向けに絵本を出したり、講演会をしたりとか。そしてゴミについて、僕の知らないことはないというぐらいまで勉強していきたいです。本当に奥深い世界で、勉強すればするほど、まだまだゴミのことを知らないなと思う毎日です。

  • ■『ゴミ清掃員の日常』(5月30日発売/講談社)
    原作・構成/滝沢秀一、まんが/滝沢友紀。ツイッターでの閲覧数が驚異の3,200万超え。ゴミ清掃芸人が夫婦で描くゴミのエッセイ漫画。売れない芸人・マシンガンズの滝沢秀一は家族を養うためにゴミ清掃員に。おもしろくて、ためになるゴミの知識と、何気ない日々の幸せをおとどけする。

■滝沢秀一
1976年、東京都生まれ。1998年に西堀亮とお笑いコンビ・マシンガンズを結成。「THE MANZAI」2012、14年認定漫才師。2012年、定収入を得るために、お笑い芸人の仕事を続けながらもゴミ収集会社に就職。ゴミ収集中の体験や気づきを発信したツイッターが人気を集め、話題を呼んでいる。2018年には『このゴミは収集できません ゴミ清掃員が見たあり得ない光景』(白夜書房)を出版。