台本なしのメーカー座談会はどんな内容に?
第3部では、AMD製品を販売するメーカー担当者を交えての座談会が開かれました。会場にいた参加者は、古くからPCを使っている人だけでなく、eスポーツから入った若い人もいるということで「若い人にもわかりやすく、でもAMDに深く語ってほしい(佐藤氏)」というテーマに……。
AMDはCPUやGPUで、自作PCユーザーをはじめとするPC愛好家によく知られていますが、一方で「PlayStation4やXbox Oneの中に入っているのでAMDを知らなくても使っている人は多い」(高橋氏)。
高橋氏は「AMDははじめ、Intelからライセンスを得て、CPUを作っていたが、その後自ら作る道を歩み、血で血を洗う抗争の歴史を繰り広げた」と歴史を大まかに紹介。佐藤氏が「AMDは、コンシューマーCPU初の1GHz動作など、マイルストーン的なところでは先行していて、新しい技術を採用するのが好き」と切り出すと「現行の64bitもAMDが先(森田氏)」、「メインストリームの4コアもAMDが先(市川氏)」とほかのメンバーも続きます。
AMDは現在、Zenアーキテクチャを採用したCPUであるRyzenシリーズが非常に好調です。佐藤氏によると「海外ではCPUのシェアが50%を超えている国もあり、日本も現在40%台後半」とのことで、「日本もこの調子で行けば2019年中に50%超える……ぐらいの勢いで頑張ってます」意気込みを語りました。
現在のAMDは調子がいいのですが、一方で森田氏は「AMDのCPUといえば『焼き鳥』の話題は避けられないのでは?」と過去製品を取り上げます。初期のAthlonは発熱がひどく、さらに安全機能がなかったので、CPUクーラーの取付が甘かったり、冷却性能が足りないとコアが焼失するという問題がありました。開発コードネームが「Thunderbird」なので「焼き鳥」とも呼ばれました。
当時は規格外まで高速化する「オーバークロック」が流行っており、「プチンという音と独特の香りがしたし……2B鉛筆ってやったことあります?」と高橋氏が暴走しだすと、「これって50周年で話す内容ですか?」と原口氏がなだめます。
現在のCPUは安全機構を備えているので、一定以上の熱が発生すると動作クロックを下げたり、動作を停止して損傷を未然に防ぎます。
また、座談会では高橋氏が「Ryzenの3000シリーズ」と話すと、佐藤氏は「世間の噂ですね?」、メーカーの面々は「わからないなぁ。聞いたことがないなぁ」と返す一幕も。
最後に高橋氏が「プロeスポーツのファンとしてこられた方、選手たちをもっと活躍させるためにこちらのメーカーさんをぜひ応援もしてください」と若い人向けに話します。「プロチームには必ずスポンサーが必要となりますが、そのスポンサーの製品が売れないとスポンサーを続けられない。スポンサーを応援することでひいきのチームや選手の応援をすることになる(高橋氏)」。
プロeスポーツチームのスポンサーは必ずしもPC業界とは限りませんが、チームや選手を通じて会社や製品をアピールしたいという思いは同じです。メーカー担当者も「メーカーとプロチームを楽しく盛り上げてほしい」とコメントしていました。
ここからは会場に展示されていた歴代のAMD製プロセッサを写真で紹介します。