――ハミィはホシ☆ミナトの行方を追って、リョウケンキュータマで嗅覚を強化して捜し回るシーンで大活躍されますね。
工藤:このシーン、とてもかわいかった!
奥山:猟犬の鼻をくっつけているのがかわいい!
大久保:テレビでは他のキャラクターがリョウケンキュータマを使っていたことがありましたけれど、まさか自分が使うことになるなんて……(笑)。やる前は、嗅覚を強化するということだけは知っていたのですが、実際にどんな演出になるのかと思っていたら、加藤(弘之)監督から「地面をはって、匂いを嗅いで捜して」って言われて、ああーっ、なるほど、そういう感じなんだって納得しました。ハミィが道路をはっているところでは、スティンガー(サソリオレンジ/演:岸洋佑)が「俺もやる」と言い出して、アドリブでハミィと同じような動きをしているんです。画面にはちょっとしか映っていませんけど(笑)。
――つかさの名場面としては、誘拐された魁利たちを救出するべく、ビストロ・ジュレに国際警察の3人が変装して現れるシーンがありますね。
奥山:まさか台本にある1行のト書きで、あんなコスプレをすることになるとは思っていなかったんですけれど。
工藤:圭一郎がラーメン屋さん、咲也が電気工事、つかさが保険外交員なんだよね。あれってなんで「ニコニコつかさ保険」だったの?
奥山:圭一郎が最初に「朝加ラーメン」ってアドリブで言ったから(笑)。それで咲也もノリノリで「陽川電工です」なんて言うし。テストのとき、私だけ何も言わずにいたら「つかさも何か言おうか」って言われて。「ええ~っ!? 急に何か(会社名を)考えなきゃいけない」って慌ててしまったんです。二人(結木、横山)のせいだ!って思いました(笑)。でも楽しかったですね。衣装合わせの段階からみんなノッていましたよ。
――変装の定番といえる「メガネ」がとてもクールに決まっていましたね。
奥山:テレビシリーズのときから加藤監督がずっと私にメガネをかけさせたかったと仰っていて。なぜか渡辺(勝也)監督からも何度も言われていました。
工藤:なんでだろう? メガネ女子好き?
奥山:圭一郎(の変装)との被りを避けようと思っていたのですが、監督の強い要望もあってメガネをかけました。今回のVシネマで実現できてよかったです。
――クライマックスでは、キュウレンジャー、ルパンレンジャー、パトレンジャーと総勢19人ものヒーローがドン・アルカゲ率いる軍団と決戦を行いますが、勢ぞろいしたヒーローたちの姿を見たご感想はいかがですか?
工藤:現場では、変身前の私たちがいて、同じ数だけスーツアクターさんがいて、補助についている方たちがいて、とにかく「人が多い!」と思いました。「何、この現場!?」って(笑)。
奥山:すごかった! ヒーローだけでもとんでもない数なのに、敵もたくさんいますしね。
大久保:あんなにたくさんのヒーローがそろっている現場に、もしも私がぜんぜん違う「戦隊」としてたった1人で参加していたら、心細くなってしまうと思うんです。キュウレンジャーの仲間がいてよかったな~ってホッとしました(笑)。
――戦闘中、ラプター283(ワシピンク/声:M・A・O)の「妄想」という形で、初美花、つかさ、ハミィ、ラプターの「女子会」のもようが映像化されましたが、ここはまさに戦隊ヒロインファン必見の名場面といえますね。
工藤:あそこは加藤監督のこだわり全開のシーンですね!
奥山:楽しかった!
工藤:ここも、ト書きがたった1行だったんです。こういうイメージがあるよ、女子会だから、みんなで何かしゃべって、みたいな指示で(笑)。ええっ?と思いながらも、わりとみんなノリノリでやっていました。
大久保:私はアドリブが苦手で……突然話を振られても、頭が回転しないんです。でもさすが、ラプターを演じている五味(涼子)さんがうまくまとめてくださって。このときはハミィという役を忘れて、完全に大久保桜子として楽しんでいました(笑)。
奥山:スパーダ(カジキイエロー/演:榊原徹士)が宇宙っぽい感じのスイーツを作ってきてくれました。
工藤:キュウレンジャー風味だったよね(笑)。透真が出してくれたのは、ノーマルなフレンチトースト。ジュレの看板メニューです。
大久保:私は『キュウレンジャー』をやっていて、初めてちゃんとした料理を食べた気がします(笑)。以前は、青かったり緑だったり、すごい色の料理ばかりだったので。
工藤:撮影が終わったら、テーブルの上のスイーツ争奪戦が始まりました。
奥山:ジュレでの撮影があるときは、いつもあんな感じだよね(笑)。
工藤:撮影のためにスイーツをいっぱい用意していただいているんですけれど、終わったらキャストを含め、メイク部、衣装部、それ以外も女子が全員集合して、みんなで食べるのが楽しみでした。
奥山:最後のシーンで、つかさとハミィが会話を交わすくだりがあるんですけれど、待ち時間にちょっと雨が降っていて、2人でくっついて傘に入っていたら「姉妹みたい」なんてみんなから言われて、超うれしかったな。
大久保:私もうれしかったです。
工藤:快盗はそのとき、離れた場所に去っていましたからね。高いところから下で楽しそうにしているみんなを見ながら「混ざりた~い!」って思っていました。