2019年5月3日より東映Vシネクスト『ルパンレンジャーVSパトレンジャーVSキュウレンジャー』の期間限定上映が開始されるのを記念し、『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』からルパンイエロー/早見初美花を演じる工藤遥、パトレン3号/明神つかさを演じる奥山かずさ、『宇宙戦隊キュウレンジャー』からカメレオングリーン/ハミィを演じる大久保桜子という"3ヒロイン"にインタビューを敢行。快盗、警察、救世主という極端に個性の異なるチームに属する3人から、いったいどのような話題が飛び出すか。朗らかな笑いに包まれた「戦隊女子会」のもようをお楽しみいただきたい。※記事には本編のネタバレを含む箇所があります。ご注意ください。

  • 左よりパトレン3号/明神つかさ役の奥山かずさ、カメレオングリーン/ハミィ役の大久保桜子、ルパンイエロー/早見初美花役の工藤遥。撮影:大塚素久(SYASYA)

本作は、今年2月10日に感動の最終回を迎えた『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』(2018年)と、『宇宙戦隊キュウレンジャー』(2017年)とのコラボレーション作品で、スーパー戦隊シリーズ恒例の「VS」シリーズ最新作。ルパンコレクションを狙う「快盗」と、世界の平和を守るためギャングラーと戦う「国際警察」の前に、"別の宇宙"から突如「救世主」と名乗るラッキーが現れる。ラッキーは自分たちの住む宇宙からこちらの宇宙に、宇宙幕府ジャークマターの「ドン・アルカゲ」が侵入したと説明するが、圭一郎たちは聞き入れようとしない。果たして3つの戦隊は地球の危機を救うため、共に力を合わせて戦うことができるのだろうか……。

――『ルパパト』テレビシリーズの結末について、工藤さん、奥山さんの現在の心境はいかがですか?

工藤:みんなが納得できる、いい最終回だったと思います。ここで終ってしまうのか、これからも物語は続いていくのか、視聴者の方たちにご想像していただく余地もあって。これまでの1年間で散りばめられていた伏線も回収されていますし、きれいに終わることができてよかったなと思っています。とにかく、「お疲れ様、よかったね」とキャラクターたちに声をかけてあげられるような最終回でしたね。

奥山:こんどの戦隊は「VS」だと最初に聞いたときから、どんな終わり方をするのだろうとみなさん気になっていたのではないかと思います。快盗の正体が警察にバレてしまうのか、快盗の大切な人たちは助かるのか……。ずっとじらされ続けたけれど、最終回でそれがはっきり解決し、みなさんのもどかしさが解消できたんじゃないかと思います。この1年間のストーリーの中で、2つの戦隊がお互いに心境の変化があったり、影響を受けあったりした結果、あの最終回が迎えられたので、まさに集大成。私たちもやってきてよかったなと素直に思えました。

――大久保さんは昨年の『キュウレンジャー』が最終回を迎えたとき、どのような思いを抱かれましたか。

大久保:私の場合、作品よりも自分のことを心配してしまって……。最終回を撮り終えたら、キュウレンジャーのみんなともう毎日のように会えなくなるんだと思ったんです。ずっと一緒に過ごしていて、家族のような雰囲気になっていましたから。毎日「おはよう!」「また後でね」を繰り返していたのですが、「お疲れ様でした!」と言ってから、もう会わなくなるのか~と思うと、すごくショックが大きかったです。ただ、テレビが終わっても「ファイナルライブツアー」が残っていたので、ほんとうに寂しくなったのはそれが終わった後でしたね。

工藤:私も「ファイナルライブツアー」で全国を回っているあいだは、まだ「終わった」という感覚はなかったんですよ。

奥山:もしかしたら、テレビシリーズの撮影のときよりも全員と会っていたかもしれません。

工藤:そうなんです。『ルパパト』はVS戦隊なので、ルパンレンジャーとパトレンジャーとが顔を合わせないときもありましたから。

奥山:撮影時間がルパンとパトとでまったく違っていたことも多かったよね。ですから、どぅー(工藤の愛称)と1週間連続で一緒にいられるとか、ぜんぜんなかったんです。

工藤:シアターGロッソ公演のときは、毎日みんなと一緒に過ごせていたのでとても楽しかったんです。こういう感覚があるのも、VS戦隊ならではですね(笑)。

――今回のVシネクスト『ルパンレンジャーVSパトレンジャーVSキュウレンジャー』でも、ヒロインのみなさんそれぞれに印象的な活躍シーンがあるとうかがっています。いくつかお尋ねしていきたいのですが、まずは工藤さんから。快盗の3人が「警察チェンジ」をしてパトレンジャーになってしまうシーンは、予告編でも公開されて強いインパクトを与えてくれましたね。

工藤:そうなんですよ。ある事情で目の前に国際警察のVSチェンジャーしかなくて、やむなく警察チェンジでパトレンジャーになって戦うことに。

――本家・警察戦隊として、奥山さんは工藤さんの警察チェンジをご覧になってどう思われましたか?

奥山:いや~、やっぱり別の人がやるとこんなに印象が違うんだなって思いましたね。自分たちがやっているときには気づかなかったこと、わからなかったことがいっぱいありましたし、初美花のパトレン3号は、あれはあれですごくかわいかった。なんというか"らしくない"ところがよかったですね(笑)。

工藤:初美花の警察チェンジは、やる前からずっと楽しみにしていたんですよ。でもいざやってみると、こんなにやりづらいとは思わなかった(笑)。私たち快盗はいつもVSチェンジャーを下に向けて変身していますし、「快盗チェンジ!」ってクールにすましているんです。それだけに、警察のカチッカチッとした動作をこなすのが苦手だなって痛感しました。ルパンレンジャーの場合、3人の動きを合わせるってことが基本的にないんです。だからこそ、パトレンジャーの3人の団結力ってすごいなって、警察チェンジをしてみて思いました。VSチェンジャーを構えたときのアングルにしても、かずさちゃんのふだんの苦労がよくわかりましたね。

奥山:そうそう。「銃のすき間から顔を出せ」とか、無茶なことをよく言われましたから(笑)。

工藤:カメラアングルを気にしながら変身できるか~!って内心嘆いてました(笑)。

奥山:じっと止まっていて、用意スタート!ならいいんだけれど、VSチェンジャーをホルダーから取り出して、構えて、だから……。ちょっとでも腕がズレたりすると「誰かが映ってない」って言われるので、警察チェンジはめっちゃ大変なんです。

工藤:私、心が折れそうになりましたから(笑)。

――変身といえば、大久保さんの場合は仲間が多いですから、みんなそろってのスターチェンジでは誰かの動きが合わなくてNG、なんてことがあったりしましたか?

大久保:人数が多いからこそのNGは、いろいろありましたよ。みんなで向こうから走ってきて、指定の位置で止まって変身、というシーンでも、止まるタイミングがそろわなくてバラバラの場所で止まったりとか、よくやりましたね。

――快盗の3人、魁利、透真、初美花がキュウレンジャーの怪盗BN団ナーガ(ヘビツカイシルバー/演:山崎大輝)、バランス(テンビンゴールド/声:小野友樹)と手を組んで、国際警察を相手に"悪だくみ"を仕掛けるという展開も面白いですね。

工藤:最初キュウレンジャーとルパパトがVSをやると聞いたとき、「どこに接点が!?」と思ったんですけれど、ああ「快盗と怪盗」つながりがあるんだと、台本を読んでハッとしました。ひとつの接点から、これだけのお話が展開するというところが凄いですよね。キュウレンジャーの全員とは絡むことができなかったけれど、人数の多いキュウレンジャーと2つの戦隊があるルパパトならではの、キャラクターの"使い方"に感心しました。