すべてのメニューが終了した直後、7人のルパパトメンバーと主題歌アーティスト2名の1年間の活躍をねぎらうため、サプライズで花束の贈呈が行なわれた。

贈り手は、番組プロデューサーの宇都宮孝明氏(東映)、井上千尋氏(テレビ朝日)、脚本(メインライター)の香村純子氏、パイロット監督の杉原輝昭氏、音楽プロデューサーの龍神貴穂氏(日本コロムビア)、ルパンレッドのスーツアクションを担当した浅井宏輔氏の6名。1年間、良質の作品を作りあげるため共に苦労と努力を重ねてきたスタッフ諸氏から心のこもった花束を受け取り、キャスト陣の目には自然と涙があふれてきたようだった。その直後、「1年間ありがとう!」の横断幕と共に、客席からはキャスト陣に感謝の気持ちを示す大きなコールが鳴り響いた。

吉田達彦は「1年前に主題歌が決まったときには、こんなに素晴らしい景色を見ることができるなんて思ってもいませんでした。キャストのみなさん、スタッフ・関係者のみなさん、応援してくれたファンみなさんがいるからこそ、僕はこうしてステージに立つことができています」と、目をうるませた。

吉田仁美は「子どものころ、『五星戦隊ダイレンジャー』(劇場版)に出演し、ダイレンジャーに助けてもらったことがありました。大きくなって歌手になり、憧れの方が『秘密戦隊ゴレンジャー』の主題歌「進め!ゴレンジャー」をささきいさおさんと一緒に歌った堀江美都子さんになりました。それ以来、スーパー戦隊の主題歌を歌うのが、私の大きな"夢"でした。この夢を叶えてくださったたくさんの方々、そして応援してくださった方たちに心から感謝します。こんどはみんなの夢が叶えられるよう、これからも歌い続けます!」と、男女デュエットによる主題歌としては『ゴレンジャー』以来2作目となる『ルパパト』についての強い思いを客席に伝えた。

元木は「追加戦士として出演が決まって、どんな現場だろうと思っていたら、そこには最高な奴らがいました。かけがえのない仲間に出会えてよかった」と、何度も声をつまらせながら最後まで元気いっぱいに挨拶した。

奥山は「いまサプライズで関係者の方々が来ていましたが、私に花束をくださったのはプロデューサーの宇都宮さん。宇都宮さんが私を選んでくれなかったら、私がここにいなかったんだと思うと、感謝でいっぱいです。そしてこのメンバーと一緒に過ごせたのは、ほんとうに濃い時間でした」と、スタッフ、メンバーたちへの感謝を、大きな瞳を涙でいっぱいにしながら語った。

工藤は「『ルパパト』はアイドルグループを卒業し、1人でやっていくことになった初めての作品。初めましての人たちと顔を合わせて1年間やっていくことにすごく不安を感じていました。でも、みんなだったからここまでやってこれた。何があっても笑って許してくれる聖也くんに救われました。かずさちゃんじゃなかったらWヒロインと名乗ることはなかったかもしれない。涼ちんが演じる咲也だから私は心を許せました。濱さんの背中をいちばん近くで見ていたのは私です。困っていることがあったら、真っ先に聞いてくれるのが滉星くん。そしてあさひがレッドとしてしっかりしてくれるから、私もイエローをまっとうできたのだと思います。そして、私を早見初美花として受け入れてくださったたくさんの方々に、ほんとうに感謝しています!」と、終始涙で声をつまらせながらもしっかりと挨拶し、多くのファンに感謝を伝えた。

横山は「ファイナルライブツアーが終わりに近づくのを感じながら演じてきて、最後に泣くのも恥ずかしいと思っていましたが、ここへ来てボロボロ泣いてしまって……。自分でも、こんなにこの人たちのことが好きなんだなあと、改めて実感しています。寂しいとか、悲しいとかで泣くのかなと思っていたら、違いました。今は"嬉し泣き"です。大好きな人たちに囲まれて、こんなに嬉しいことはありません。僕のキャラソンのタイトルは『ヒーローは決して泣かない』ですが、撤回します。ヒーローも泣くときは泣きます。今日お越しの方々、そして来れなかった人たち、すべての方たちに感謝します!」と、涙を輝かせながら挨拶を行った。

濱は「1年間いろんなことがありました。でも『ルパパト』の現場に来るとすごく安心しますし、すごく楽しいんです。『みんなのこと好きだわ』と感じます。ファンのみなさんには、たくさんの力を送っていただきました。こちらが送らなきゃいけない側なのに、もらっちゃいました。ほんとうに、ありがとうございました!」と、女性ファンからの歓声がひっきりなしに飛び交う中、落ち着いた低音ボイスを崩さずに、かつ心に熱い感情を込めつつ、1年以上にわたって務め上げたルパンブルー/透真という役柄についての感慨と、ファンへの感謝の気持ちを表した。

結木は「僕はパンフレット(直筆アンケートページ)で、ルパパトのことを"一つの番組にしか過ぎません(と思うようにしています)"と書きました。そのときはそう思っていて、『いつまで悲しんでいても仕方がない。ここはゴールじゃないんだ。スタートとして、羽ばたいていかなければいけない』と思っていました。でも今は終わらせたくない、今日帰りたくないです。僕の宝物は家族だけだと思っていましたが、このステージに立っている"みんな"という宝物が増えました!」と、押し込めようとしてもあふれ出てくる感情に揺さぶられるまま、かけがえのない仲間と共に作り上げた作品への愛着を表し、ファンの熱き声援にも誠実に応えた。

伊藤は「最後だから、泣かないでちゃんとしなきゃと思っていたんですけれど、すぐ泣いちゃいました」と、とても涙をこらえきれない"最後のステージ"ならではの状況を迎えてなお、気丈にふるまった。「終わりがあってよかった。終わりがあるからこそ、それまでの時間を大切に過ごしたいと思いました。だからここでちゃんと終わることができて、僕たちの思いをみなさんに伝えられて、またみなさんの思いも聞くことができた。僕はほんとうにファイナルライブツアーが好きでした」と、大好きな仲間と一緒に楽しい時間を過ごし、そして1年間応援してくれたファンと時間を共有することのできた今回のファイナルライブツアーが自分にとってとても重要なイベントだったことを打ち明けた。

さらに伊藤はこれまでの『ルパパト』をふりかえり、「メンバーの中で最年少なのに、レッドとしてみんなを引っ張っていくなんて、僕には無理だと思っていました。でも、隣にはこんなに頼もしい仲間(濱、工藤)がいて、追加で聖也くんが参加してくれました。最初のうちはなかなか一緒の現場にならなかったけど、たまに一緒になるとパトレンジャーのみんなは笑顔で遊んでくれて、僕にとってその時間は本当に大切でした。こういうステージに立ってもうまくまとめられなくて、ルパンの二人には『頼りないレッドでごめん』という気持ちがありました。でも、僕にはこんなに頼もしい仲間たちがいる。だから『こんなレッドがたまにはいてもいいよね』と思えるようになったんです。これから僕たちは、ひとりひとりが『ルパパト』を心の中に秘めたまま、羽ばたいていきます。みなさん、これからも応援してくださると嬉しいです。ほんとうに、こんなレッドについてきてくれてありがとう! 『ルパパト』を永遠に愛し続けてください。僕からのお願いです! ほんとうにありがとうございました!」と、涙を流して目を真っ赤にしながらもしっかりと『ルパパト』メンバー全員のこれからの発展と飛躍を誓い、大切な仲間と一緒に作り上げた『ルパパト』をこれからも愛し続けてほしいと、大勢のファンたちにさわやかな笑顔を向けた。

最後は、ステージ上のメンバーとMCの松本を加えた10人が観客と共に「『ルパパト』最高!」とコールし、大興奮と感動のうちにファイナルライブツアーをしめくくった。

なお、今回レポート記事を掲載した『ファイナルライブツアー』千秋楽公演のもようを収録したDVDソフト「快盗戦隊レパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー ファイナルライブツアー2019」(5,800円/税別)が、7月10日より東映ビデオから発売されることが決定した。本DVDには映像特典として「千秋楽舞台裏トーク」「各公演トークショー集」「ポスタービジュアル」も収録される予定。

  • ※ジャケット写真は実際とは異なります

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