さらに光学式手ブレ補正(OIS)と電子式手ブレ補正(EIS)を組み合わせたHybridアルゴリズムによる高度な手ブレ補正も搭載しています。このハイブリッド手ブレ補正は、暗所での動画撮影で、特に効果を発揮するようです。実際に作例を見てみると、手に持って走って撮影するようなシーンでも、ジンバルを使ったかのような安定した動画撮影が可能になっていました。

  • Xperia 1

    低照度でもブレが少ない動画を撮影できるデュアル手ブレ補正。カメラを左右に振るようなパンニング時のブレも補正するため、一時停止したときにもブレが抑えられている、といいます

  • Xperia 1

    デュアル手ブレ補正の動作原理。モーションセンサーがブレを捕捉して新規開発の信号処理が補正量を計測して手ブレ補正レンズを動作させるのがOIS。イメージセンサーから得られたブレを検出して電子的に補正するのがEISで、これを組み合わせています

映画用カメラの開発チームが監修した撮影アプリ

このXperia 1では、4K HDR動画の撮影にも対応していますが、標準のカメラアプリでは基本的に16:9のみで、21:9の画面を生かしたシネマワイドの動画撮影には対応していません。

これに対して新たに搭載したのが「Cinema Pro」アプリです。これは、ソニーの映画撮影用カメラであるCineAlta「VENICE」の開発チームが監修して作り上げた動画撮影用アプリです。これを使うと、アスペクト比21:9での撮影が可能になります。映画のような24fps、10bit HEVC HLGフォーマットのHDR動画撮影に対応します。

  • Xperia 1

    21:9など映画のような動画撮影を可能にするCinema Proアプリ。UIもCineAltaカメラ、VENICEをベースにしています

  • Xperia 1

    実際の撮影画面

さらに面白いのが「Look」機能です。映画撮影では、例えばホラーなら青みがかった色味、コメディなら赤みがかった色味といったように、ジャンルや感情に紐付いた映像上の色味が重視されます。こうした色相や絵作りを簡単に変更できるプリセットがLookです。

  • Xperia 1

    プリセットで映画のような効果を設定できるLook

VENICEチームが培ったノウハウを生かし、撮影内容のジャンルに合わせた色相や絵作りを簡単に設定できるのが「Look」機能。8種類のプリセットが用意されており、映画のような独特な色合いの映像を再現できます。デフォルトの「VINICE CS」プリセットはプレーンな設定なので、PCで自ら色相などを設定することも可能です。

  • Xperia 1

    CineAltaカメラ「VENICE」とXperia 1

より「カメラらしく」進化。画質はXperia史上最高

Xperia 1のカメラ機能は、より「カメラらしい」スタンスで開発されています。最近のスマートフォンカメラは、画像合成や画素混合などデジタル処理を重視しています。特にHuaweiを代表に中国メーカーにその傾向が強いようですが、Xperia 1にはそうした機能はほとんどなく、レンズ、センサー、画像処理といった(ハードウェアを含む)カメラとしての改善で、高画質化を図っています。

ここ最近のXperiaは、高画素センサーを使い、シャープネスを強めにかけて細部の解像感を出すスマートフォンカメラライクな絵作りの傾向がありましたが、画素数を抑えてピッチサイズを大型化することで、自然に細部の解像感を出すという方針に転換ました。このあたりの絵作りにも興味を引かれるところです。

「Xperia史上最高画質を目指し、実際に実現したと思う」と担当者はアピール。実際の製品登場が待ち遠しいところです。