高速で顔を検出した後、そこから瞳を抽出するのですが、Xperia 1では「正確に、高速に、安定的に瞳を検出できる」としています。その上で検出された瞳に対してトラッキングを行います。顔検出から瞳検出までは、Snapdragon 855という高速チップによって非常に速く動作します。AF制御を含めた瞳AF自体がαより速いというわけではありませんが、「チップの処理性能という意味では、αを越えている部分もあるのでは」とXperia 1のカメラ担当者。
とはいえ重要なのは、検出した瞳に、高速かつ正確にAFとAEを合わせることで、「AF/AEの制御がついてこなければ検出しても意味がない」と担当者。ここにαの瞳追尾技術が活用されているそうです。これを実現するための技術の1つがデュアルフォトダイオード搭載のセンサーです。
デュアルフォトダイオードは、1つの画素に画像を記録するフォトダイオードと位相差AFセンサーを組み合わせたセンサーです。全画素で高速な位相差AFが可能になるため、画面内のどの位置に瞳が合っても高速に追尾できます。AFの合焦速度は0.03秒と高速です。
瞳にAF/AEを合わせ続けるために、センサーも高速なメモリ積層型を採用しており、AF/AE追従で10コマ/秒の連写に対応しています。人が動き続けても、10コマ/秒の速度でAF/AEが追尾し続けるわけです。
画像のノイズ除去がパワーアップ
さらにXperia XZ3比で4倍という高感度撮影機能を備えています(メインカメラ)。これは、有効画素数1220万画素に抑えたことでピクセルピッチが1.4μmと32%大型化。レンズのF値は45%明るいF1.6を採用し、さらにBIONZ X for mobileのRAWノイズリダクションによってS/N比が2倍になり、結果として高感度画質が4倍になりました。
このRAWノイズリダクションは、すでにαなどのソニー製カメラで実現している機能です。従来のノイズリダクションは、画像処理の段階で適用していましたが、その前のRAWの段階でノイズリダクションを行うことで、より高解像で低ノイズ化を図れるとしています。
このノイズリダクション処理のアルゴリズムはαと同じものということで、一定の画質が期待できそうです。実際、0.5ルクスという低照度環境での画質比較では、他社製品と比べても解像感を残しつつ低ノイズ化を実現しているようでした。