GORE-TEX プロダクトを長く愛用するために
せっかくの製品も、お手入れを怠るとその性能が最大限に発揮されなくなってしまう場合がある。とはいえ、特別なメンテナンス方法があるというわけでもなく、基本的には各製品に付いている洗濯表示に従ってクリーニングしてあげればOKだそう。
GORE-TEX メンブレンそのものは、「穴が開く」「破ける」などの損傷がない限り、ほとんど劣化することはないという。しかし、使う頻度や取り扱い方、ウェアに使われている素材によって、ウェアそのものの寿命は大きく変わる。機能の低下の要因としては、「極端な汚れの付着」「摩擦」「高温多湿で長期間の保管」といったことが挙げられるため、単純にこまめなメンテナンスと適切な保管が重要というわけだ。
フットウェアに関しては、内側のGORE-TEX ファブリクスに傷が付かないよう、脱いだ後に中敷きを抜き取って小石などが入っていないか確認しよう。汚れは乾いた布で優しく拭き取る、撥水スプレーを吹きかける、革が乾いてきたら適度に保湿を行うなど、基本的なケアは一般的なものと同じで大丈夫。
GORE-TEX ウェアは、洗濯表示を確認したうえで、漂白剤や柔軟剤が入っていない液体洗剤(専用洗剤ではなく、家庭で普段使用している衣料用の洗剤でOK)を少量使ってこまめに洗濯機で洗うのがオススメとのこと。40℃以下のぬるま湯を使用すると、より汚れが落ちやすくなる。洗剤のすすぎ残しも汚れと同じく撥水性を低下させる要因になるため、すすぎは2回、十分に行うべし。ウェアのファスナーは閉め、ベルクロはすべてとめておこう。収納式フードがある場合は出した状態にし、絞ったドローコードを緩めるのもお忘れなく。
生地が絡まないようネットに入れて洗濯したら、日陰で吊り干しに。キレイな状態で熱をかけると撥水性が回復するため、ウェアを乾かした後に「乾燥機で20分温風乾燥」もしくは「低温、スチームなしでアイロンがけ(当て布必須)」というひと手間を加えるのも効果的だ。
撥水と防水の違いって?
最後に、よく混同されがちな「撥水」と「防水」についても触れておこう。そもそもこの2つは異なるものであることをご存知だろうか。
撥水とは表面で水をはじく機能であり、撥水加工によって付加されるもの。防水とは、水の侵入をブロックする機能。撥水がしっかりと効いた状態であれば、水は生地の表面をコロコロと流れていくが、防水性がない場合に圧力(押す力)がかかると生地は水を通してしまう。つまり、いくら撥水が強力であっても、防水の代わりにはならないということになる。そして、GORE-TEX 製品は撥水性と防水性を兼ね備えているのである。
撥水加工が施されている生地の表面には、撥水基(微小な柱のようなもの)がキレイに整列している。そして、この撥水基が乱れたり倒れたりすると、生地は水を弾くことができなくなる。例えば、生地の表面に汚れが残っていると、撥水基が倒れた状態になり、撥水機能が低下してしまうのだ。
この倒れた撥水基は、前述のように簡単なメンテナンスで回復できる。撥水がない状態でGORE-TEX ウェアを着ていても、生地に穴が開いていない限り水が浸入してくることはないが、表面が濡れてしまえば水蒸気の通りは阻害され、透湿性の低下につながることも考えられる。GORE-TEX ファブリクスの機能を最大限に活かすためには、撥水性も重要ということだ。
これまで「GORE-TEX」のタグに漠然とした安心感を抱いて製品を購入していたという人も、この機会に改めてメンテナンスへ目を向けてみてはいかがだろうか。
2018年秋には、防水性に縛られない機能性と快適性を幅広いシーンに提供するアイテム展開を狙う「GORE-TEX INFINIUM(TM) プロダクト」という新たなラインも誕生。防水・透湿・防風を軸とした「GORE-TEX プロダクト」に「GORE-TEX INFINIUM(TM) プロダクト」が加わり、GORE-TEX ブランドはさらなる進化を遂げていく。
さまざまな場面で活躍してくれる性能の高いアイテムをビジネスシーンでも活用し、日々の生活を快適なものにアップグレードしよう。
※価格はすべて税込