服を選ぶ際などに、「GORE-TEX(ゴアテックス)」と記載されているタグを見つけて、「このアイテムはGORE-TEX製品だから信頼できる」となんとなく安心している。そのような人も多いのではないだろうか。そこで今回は、改めてGORE-TEX製品への理解を深めるべく日本ゴアの本社に突撃。その優れた性能を、ビジネスシーンにも使えるアイテムやメンテナンス方法などとともに紹介する。
そもそもGORE-TEX製品って何がすごいの?
「GORE-TEX プロダクト」とは、「GORE-TEX ファブリクス」と呼ばれる生地を用いたウェアやフットウェア、手袋、帽子などのことを指す。これらの製品は防水耐久性・透湿性・防風性といった性能を備えており、厳しい品質基準によって管理されているのだ。
ならば「GORE-TEX製品だから信頼できる」という考えは間違いではないと言えるのかもしれないが、では具体的に何がどうすごいのか。以下にその性能の詳細を紹介していこう。
GORE-TEX ファブリクスの性能のカギを握るのは、「GORE-TEX メンブレン」という素材。軽量かつ薄型で高い耐久性を備えている同素材は、1平方センチメートルあたり14億個以上もの微細な孔(あな)を持っており、それによって雨などの水は通さず汗の水蒸気は通過させる「透湿性」という機能を実現している。
また、GORE-TEX メンブレンの細かな網目構造は、防風性にも関係している。風は“空気のかたまり”として身体に当たることで初めて「風」として実感される。つまり、GORE-TEX メンブレンの細かい網目を通り抜ける時点で空気は“かたまり”ではなくなるため、身体が「風」だとは感じなくなるのである。
このGORE-TEX メンブレンに生地を貼り合わせたものが前述の「GORE-TEX ファブリクス」の正体なのだ。
ゴア社は、こうして作り上げたGORE-TEX ファブリクスを各メーカーに提供し、メーカーや生産工場とともに品質を高め、GORE-TEX プロダクトを作り上げている。それらのGORE-TEX プロダクトは、防水・透湿・防風の機能を発揮させるために、最終製品の段階でゴア社の厳しい品質基準によってテストされ、それをクリアして初めて世に出るのである。