米クアルコムがカリフォルニア州サンディエゴの本社で、新しい半導体製品のプレス発表会を開催しました。スマートスピーカーなど次世代オーディオ向けのアプリケーションプロセッサ「QCS40x」シリーズです。
新チップでオーディオが「スマート化」する
QCS40xシリーズ(「x」には下1桁の数字が入ります)は、音楽再生や音声ユーザーインタフェースの処理などに欠かせない高性能な頭脳を一体化したSoC(システム化されたICチップ)です。
クアルコムが展開する有名なスマホ向けSoC「Snapdragon」シリーズのオーディオ版と考えてもらえればよいかと思います。今後はスマートスピーカーやワイヤレススピーカー、サウンドバーにホームシアター用のマルチチャンネルアンプなど、様々なオーディオ製品にも高度なAIや通信機能が載って、音楽を聴くこと以外にも楽しみ方が広がる時代がやってきます。その時代を先取りするために生まれたSoCがQCS40xシリーズなのです。
なぜクアルコムがオーディオ用チップを開発したのか?
それにしても、なぜSnapdragonで有名なクアルコムがオーディオのためのSoCを開発したのでしょうか。
クアルコムは2015年にイギリスの半導体メーカーであるCSRをグループの傘下に加えて、以後クアルコムが得意とする携帯通信分野の技術と、CSRのBluetoothを含むオーディオ再生のためのノウハウを積極的に結びつけてきました。
いま左右独立型の完全ワイヤレスイヤホンなどにも、クアルコムのBluetoothオーディオのためのICチップ「QCC30xx」シリーズを採用するメーカーが増えています。