ウルトラモバイルPC(以下、UMPC)の市場を復活させたと言っても過言ではないGPDは、2019年5月からニューモデル「GPD MicroPC」の出荷を開始します。ワタシはGPDの歴代UMPCを買い続けている、真正のUMPCジャンキーです。発売は先ですが、日本正規代理店の天空からGPD MicroPCの試作機を借用できたので、購入検討モードでじっくりレビューをお届けします!

  • GPD MicroPC

    黒くて小さいだけで、魅力が数倍増して見えるのはなぜ?

  • GPD MicroPC

    「GPD MicroPC」は、クラウドファンディング「Indiegogo」にて314ドル(約35,060円)で出資を受け付け中。通常価格は414ドル(約46,200円)の予定です ※3月8日時点

6型ディスプレイを搭載する小型ボディ

GPD MicroPCに採用されているCPUはGemini Lake世代の「Intel Celeron N4100 プロセッサー」(4コア4スレッド、1.10~2.40GHz)。メモリは4GB(LPDDR4 SDRAM)、ストレージはM.2形状でSerial ATA III接続の128GB SSDを搭載しています。

別シリーズですが、従来モデルの「GPD Pocket2」が当初「Core m3-7Y30」、途中から「Core m3-8100Y」を積んでいるので、スペック的にはGPD MicroPCのほうが見劣りしますね。メモリー容量も、GPD Pocket2の8GBより少ない6GBです(※試用機は4GB。メモリは当初4GBだったところ、6GBに変更されることがアナウンスされた。すでに出資したユーザーは追加で10ドルを出資するか、もしくは返金となる。詳細)。

しかし、ストレージはGPD Pocket2のeMMCに対して、GPD Micro2はSSDです。ストレージの読み書き速度はGPD Micro2に軍配が上がります。

ディスプレイは6型HD液晶(1,280×720ドット、245ppi、グレア、Gorilla Glass 4)を搭載。タッチ操作には非対応です。個人的にはタッチ対応ディスプレイを搭載してほしかったところですが、画面が小さな6型ディスプレイのWindows機では、タッチ操作は難易度が高すぎると判断したのかもしれません。

  • 6型HDディスプレイはグレア(光沢)タイプ。映り込みは目立ちますね

新旧インタフェースがてんこ盛り!

ネットワークエンジニアをメインターゲットにしたGPD MicroPCは、インタフェースが充実しています。

USB 3.0 Type-C(背面×1)、USB 3.0 Type-A(背面×2、左側面×1)、HDMI(背面×1)、RS-232C(背面×1)、microSDXCカードリーダー(左側面×1、最大2TB)、ヘッドフォン・マイクコンボジャック(前面×1)、ギガビットLAN(背面×1)と、これでもかと搭載。

RS-232Cインタフェースは、産業用計測機器などとの接続のために用意されたとのことです。

サイズは153×113×23.5mm、重さは約440g。バッテリ容量や充電回数を調べる「Battery report」コマンドを実行したところ、バッテリの設計容量は23,560mWhでした。バッテリ駆動時間は約6~8時間とアナウンスされています。

昨今のスマホと比べるとバッテリ駆動時間は少々もの足りないですが、USB Type-C経由でモバイルバッテリから充電できるので、運用次第で十分カバーできるはずです。

  • 「Battery report」コマンドを実行したところ、設計容量は23,560mWh、フル充電容量は24,570mWhと表示されました

ボディは耐衝撃性ABS合成樹脂シェルで、表面はマットUVスプレーで加工されています。濃いメタリックグレーはGPD Pocket2と比べると質感が高いとは言えませんが、SF映画の秘密道具的な独特のたたずまいがグッときますね。

  • 本体天面。右上にあるのはスリープインジケーターと電源インジケーター

  • 本体底面。放熱口は大きめ。上部やや左寄りのふたつの穴は、直径2.5mmのネジに適合する銅ナット。ハンガー、スタンド、リフト、トレイ、ブラケットなどに取り付ける際に使用します

  • 特徴的なのがタッチパッドのレイアウト。キーボードの右上に大きく配置し、左上に左、中、右のマウスボタンがあります。タッチパッドは実測で約47×30mmと決して広くはないですが、2本指スクロール、ピンチイン・アウト、3本指の上スワイプでタスクビューの呼び出しなど、Windows 10のジェスチャー操作の一部を利用可能。上部中央にあるのは冷却ファンのオン・オフスイッチです

  • 本体前面。左からストラップホール、マイク、ヘッドフォン・マイクコンボジャックが配置されています。ネックストラップをつけて首からぶら下げてもよいかも

  • 本体背面。左からRS-232C、HDMI、USB 3.0 Type-A×2、USB 3.0 Type-C、ギガビットLANが用意されています。USB 3.0 Type-Cはオーディオ、ビデオ、データ転送、充電に対応します。RS-232Cは超久しぶりに見ました

  • 本体右側面。中央やや右寄りの小さい穴はリセットスイッチです

  • 本体左側面。左からUSB 3.0 Type-A、microSDXCカードリーダーを装備