dynabook GでDynabookが(ほんとややこしい)、最も力を入れて訴求しているのが「頑丈なボディ」です。そして、その頑丈なボディを評価機の構成で約859g、シリーズ最軽量構成では約739gという軽さで実現しています。これが、dynabook Gシリーズの見ただけではわかりにくいけどいいところの1つです。
競合製品と比べて100gほど軽い
フットプリントは同時期登場の競合製品と変わらない(むしろ大きい)のに重さは100gほど軽く、それなのにボディに堅牢性を持たせたのは、機構技術としてはとても難しいことを実現しています。100gというとわずかと思うかもしれませんが、本体重量比で1割以上になりますし、実際に持ち上げてみるとその違いは体感でも明確にわかるほどです。
ノートPCの堅牢性を訴求するとき、PCメーカーでよく使うのが「ミル・スペック」すなわち、米国防省が定める工業製品の環境耐性評価試験に関する規格をまとめたドキュメント「MIL-STD-810G」という言葉です。
ノートPCの頑丈さの表現として「MIL-STD-81G」という記載を見かける機会も多いと思います。そしてメーカーによっては「MIL-STD-810Gを満たしているからどんな条件でも耐えられる堅牢ノートPC」と訴求するケースもありますが、実は必ずしもそうとは言い切れないのです。
MIL規格10項目をクリア。特に落下、耐衝撃に強い
ここで公式ドキュメントが804ページにも及ぶMIL-STD-810Gについて詳しく解説する余裕はありませんが、ざっくりというと、MIL-STD-810Gでは、利用場所の想定毎に数多くの試験項目(METHODで定めるのは28項目、2019年1月時点)と、試験をクリアできる条件、試験方法が細かく設定されています。PCメーカーが「MIL-STD-810Gに準拠した試験をクリア」と記載する場合は、そのたくさんある試験項目とクリア条件の一部を満たしている、ということがほとんどです。
dynabook Gシリーズは、このMIL-STD-810Gが定める試験項目から10項目のテストをクリアしています。特にモバイルノートPCとしては、落下試験(26方向76センチ落下)と衝撃試験(6方向からそれぞれ3回衝撃を与える。なお、Dynabookの資料では8段階あるProcedureのどれを採用したのかは明らかにしていない)、そして、粉塵試験(粉塵吹付6時間。なお、こちらも粉塵のサイズなどProcedureの条件は明らかにしていない)をクリアしているのは高く評価できます。
また、MIL-STD-810G以外に独第三者認証機関の日本拠点「テュフ ラインランド ジャパン」が定めた耐久試験も実施しています。その中で「200kgf面加圧試験」をクリアしているのは、モバイルノートPCを入れたバックを「結構雑に扱う」利用場面を考えると安心できます。
ただし、その一方で、遭遇する場面が少なくない「キーボードの上に飲み物をこぼした」という状況に耐えられる「防滴試験」は実施していないことは注意しておくべきでしょう。ちなみに、Dynabookが対応をアピールするMIL-STD-810Gにも、防滴防水に関する試験項目はあります。