歌手・中島美嘉の名曲「雪の華」から生まれたストーリーを映画化し、現在公開中の映画『雪の華』。幼い頃から病弱で、余命1年の宣告を受けながらも憧れの地・フィンランドに行くことを夢見る美雪(中条あやみ)は、ひったくりから助けてくれた悠輔(登坂広臣)の働く店の危機を知り、「私が出します、100万円。その代わり1カ月間、私の恋人になってください」と、期間限定の恋を持ちかける。
奇跡が訪れるという「赤いオーロラが見たい」という願いから、フィンランドを訪れる美雪。主に夏編を撮影した首都・ヘルシンキからさらに飛行機で1時間半、北極圏であるラップランド地方・キッティラ空港から車で15分に位置する、レヴィが舞台となった。フィンランド屈指のスキーリゾートとして知られ、若者を中心に国内外から多くの観光客が訪れている。夏の時期は白夜で色々なベリーやハーブなども顔を出すというが、8月の終わりから、もうオーロラが見られるという。今回は、同作の聖地ツアーとしてレヴィを訪れた。
フィンランドの定番料理・サーモンスープは滞在中にスタッフ・キャストも何度も食べていたそうで、橋本光二郎監督のオススメは、日本から持ってきた「一味」を加えるアレンジだとか。
キャスト陣が宿泊したという、スキー場の上に位置する「パノラマホテル(Hotel Levi Panorama)」にはフィンランドサウナもあり、石に水をかけると蒸気(ロウリュ)が駆け巡る。日本のサウナのように息苦しくなく、こたつのようなじわっとした温熱が全身に巡る感覚で、サウナと氷点下の部屋を行き来すると、俗に言う「ととのう」という感覚がなんとなくわかったような気になってくる。
美雪がオーロラを待っていた場所へ
オーロラを待ちわびる美雪のシーンが撮影されたのは、「エルフの隠れ家(Elves’ Hideaway)」というテーマパーク。小人をテーマに、その血の自然を生かした家族向けの場所で、キュートな小人の格好をしたキャストたちがそこかしこに登場する。サウナやジンジャークッキー作り体験、エルフの学校体験など様々なことができるが、日本人なら「この村のマップ、多分ドラクエで見たことある」という不思議な感覚になる場所だ。
美雪がオーロラを見ていたのは、敷地内にある場所で、凍った湖の上にクレーンを持ってきて撮影されたというから驚きだ。雪と氷だけでは少し寂しい…と、電飾やキャンドルなど、撮影陣は同所の装飾を組み合わせてその場の雰囲気をより幻想的に作った。