ただし、ここまで紹介した問題点を何らかの方法でクリアするか、あるいは我慢できるというのであれば、iPhone XS Maxのほうが、新しい製品ならではの優位性を感じる点も数多くある。
なかでも動画再生など、CPUに負荷がかかる作業はiPhone XS Maxの得意とするところだ。動画配信サイトを観る程度であれば、パフォーマンスの差を実感することはまずないが、例えば家庭内のNASに保存している動画をストリーミング再生すると、再生が途切れ途切れになりがちなiPad mini 4に対して、iPhone XS Maxはそうした症状はほとんどない。CPUのパフォーマンスやメモリ容量、Wi-Fiの違いが大きくモノを言っているようだ(スペックの違いは前編に詳しい)。
ちなみにパフォーマンス面以外でも、本製品はiPad mini 4に比べると、動画を快適に視聴するのに向いている。というのも、アスペクト比の関係で、動画を表示すると上下に黒帯ができるiPad miniに対し、ワイド比率をさらに細長くしたiPhone XS Maxは黒帯の面積が狭いからだ。
さらにOLEDディスプレイの採用により、黒が引き締まって見えることに加えて、ボディが軽量であることも、デバイスを手に持って動画を見る場合はプラス要因だ。筆者はこれまで動画再生はiPad mini 4をメインに使っていたが、その役割を完全にiPhone XS Maxに奪われてしまったほどだ。
カメラの出っ張りも意外と気になるポイント
あと、これまでiPad miniだけを使っているユーザがiPhone XS Maxに移行して戸惑うのは、背面のカメラが出っ張っていることだろう。最近のiPhoneおよびiPad Proシリーズではお決まりの仕様だが、過去のiPad miniシリーズはいずれも背面とカメラがフラットだっただけに、ユーザにとっては違和感があるはずだ。デスク上に置いた際にフラットになるよう、保護ケースを装着するなどして工夫するべきだろう。