iPhone Xの頃は、きちんと「X」を「テン」と発音できていたが、「iPhone XS」になるとついつい「エックスエス」と発音し、何度もAppleの担当者に直されてしまった。その点でも、「Xs」と綴ってくれた方が素直に「テンエス」と発音できていたように思える。

  • これまでもiPhoneに用いられてきた「S」。今回の意味はなにだろうか

Appleは前述の「R」も、モデル名の意味をさほど詳しく説明しなかった。「iPhone 3GS」を発表した際には、プレゼンテーションの内容から、「S」がSpeed(速さ)を表していると推察される、ということがあったりしたのであるが。

デザインは変わらなくても「S」がつくモデルでは内部の大幅な刷新や、その後のiPhoneのキーフィーチャーとなる機能が盛り込まれることが多かった。例えばiPhone 4Sでは音声アシスタントのSiriが初めて搭載された。iPhone 5sでは指紋認証のTouch ID、iPhone 6sでは画面を押し込む操作の3D Touchが装備されている。

ではiPhone XSで鍵となる機能について考えてみると、やはり機械学習処理性能を大幅に高めたA12 Bionicプロセッサということになるだろう。カメラやセキュリティ機能などに、この機械学習処理の高い性能を活かし、ハードウェア、ソフトウェア、アルゴリズムによる三位一体の進化の方法を手に入れ、これをアプリ開発者に対しても奨励し始めている。

それにしても、1秒間に5兆回というニューラルエンジンの処理能力は、パッと聞いてもなかなか理解できない。もちろん、今すぐにその能力全てを必要とするアプリが登場しなくても良いのだが、Appleによる独自のプロセッサの機械学習処理能力への投資は「過剰」とも言えるレベルで他者を突き放している。

そういえば、「過剰」と訳せる英単語に「excess」というものがあった。「XS」はexcessのことなのかもしれないと思ったが、XSの発音は「テンエス」であり、「エックスエス」ではないため、やはりこれも却下、ということになるか。