過日のAppleスペシャルイベントで発表された2018年のiPhoneは計3モデル。昨年登場の有機ELディスプレイを搭載したiPhone Xは5.8インチの1モデルだったが、2018年のiPhone XSでは、5.8インチに加えてiPhone史上最大のサイズとなる6.5インチがラインアップされた。10月26日には、iPhone XRという、6.1インチ液晶ディスプレイを備えるモデルが投入される。
Appleに確認したところ、公式な表記は「iPhone XS」というとことになっているそうだ。しかしiPhoneの製品ページでは「iPhone Xs」という表記を目にし、また評価用のデバイスの箱にも「iPhone Xs」と書かれていて、個人的には若干混乱したままの状態である。なお、デザインされた表記の「S」は、角丸の四角で囲まれた大文字が用いられている。
新型となるiPhone XSについては、登場以前からその「XS」という名称と、大画面モデルに添えられる「Max」が9to5macによってリークされた。これまでも2年目となるモデルには「S」の文字が添えられていたが、大文字だったのは2011年のiPhone 4Sまでで、2013年のiPhone 5sからは小文字となっていた。なおその年にはカラフルなiPhone 5cもリリースされており、「C」も小文字の表記だった。
その後、2015年のiPhone 6sを最後に、「s」モデルは登場せず、2018年に3年ぶりの復活となった。しかし「S」の文字は大文字化され、2013年以来のカラフルなモデル展開となった「iPhone XR」の「R」も大文字で表記された。
米国で暮らしていると、iPhoneのように大文字・小文字をきちんと正式な名前通りに表記してもらえているブランドは少ないように感じられる。日本の中学の英語でも、固有名詞は単語の先頭を大文字書く、と習う。その場合「Iphone」と書くべきかもしれないが、「iPhone」で定着しているのは、iMac、iPodと続くこれまでのAppleのマーケティングの結果といえる。
その一方で、大文字・小文字がばらつくのは珍しくない。英文の記事や広告で、冒頭のパラグラフ全てを大文字で表記したり、やや小さな大文字を小文字セットとして持つフォントを用いることもあるからだ。それでも、前述のようにAppleは、「iPhone」という文字列をロゴのように流通させ、「i」を小文字で表記するのが当たり前の世界を作ってきた。だからこそ「S」の表記揺れは、Appleらしくないと思ってしまうのだ。
ちなみに、Unicodeでは、四角で囲まれた「S」を 1F142 で表示できるため、テキストで表示できないわけではない。