2つのセンサーで省エネと快適さも

Lightcycle タスクライトには、トラッキング以外にもユーザーを快適にするための機能を備えています。そのひとつがアンビエント照明センサー。机上の作業面の明るさをチェックし、光をコントロールして手元の明るさを一定に保ちます。

たとえば周囲が暗くなったら光量を増やし、ライトを近づけて手元が明るくなりすぎたら光を絞るといった動きをします。また、赤外線人感センサーも搭載し、人の動きを2分以上感知しないと自動的に消灯、人が近づくと自動点灯することも。どちらも機能も、必要ない場合はオフにできます。

  • Dyson Lightcycle タスクライト

    基本的な操作は本体上面にあるセンサーで行います。左から色温度、光量。この2つは左右に指をスライドさせて操作します。丸いアイコンは電源スイッチ。いずれもタッチセンサー式なので、そっと触れるだけで操作可能です

  • Dyson Lightcycle タスクライト

    裏面にはセンサーとスイッチ3つを配置。左の小さな四角いのがアンビエント照明センサー、丸い半球型が赤外線人感センサー、オートのON/OFFスイッチ、人感センサーのON/OFFスイッチ、トラッキングのON/OFFスイッチ

なぜダイソンのライトは60年使えるの?

ところで、ダイソンのタスクライトといえばLEDの寿命が突出して長いことも特徴。今回のLightcycleタスクライトも、LED寿命は最長181,000時間もあります。

ダイソンによると、なんと60年もつ寿命。ちなみに、LEDの寿命を左右する大きな要素は、発光中の熱によるチップ類の劣化だそうです(LEDそのものではなく、周辺の部品が先に壊れる)。ダイソンはこの熱問題を、「ヒートパイプテクノロジー」を使って冷却することで解決しています。

  • Dyson Lightcycle タスクライト

    サム バナード氏が手にしているのが、ヒートパイプに利用される銅管。中は真空になっており、ごく少量の水が封入されています。これを熱湯に入れると、反対の端を持っているのにも関わらず、一瞬で熱く感じます。熱の伝わるスピードが、一般的な金属よりも非常に速いのです

ダイソンのタスクライトに使われるヒートパイプテクノロジーとは、細い銅管の中を真空状態にし、一滴ほどの水を密閉したもの。この銅管の端を加熱すると、内部の水が一瞬で蒸発して(水が蒸発するときは、まわりから多くの熱を奪います)、反対側まで熱を持った蒸気が移動します。

管の反対部分は冷えているので、蒸気もすぐに冷えて水に戻り、毛細管現象を使って元の位置に戻ります。この、水・水蒸気・水のサイクルを繰り返すことで、LEDを効率的に冷却するのです。同じ仕組みと技術は、過酷な宇宙環境で飛ぶ衛星などにも使われているそうです。

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    銅管は本体上にむき出しで配置されています。銅管をアルミ素材の金属で挟むように固定していて、このアルミが放熱ヒートシンクの役割をしています