オーバークロック(OC)と言えば、真っ先に思い浮かぶのはCPU、次にGPUだろうか。しかし、PCパーツでOC可能なものはほかにもある。今回紹介するのはメモリのOCだ。

メモリのOCは手軽にできるが奥が深い。設定をどこまでも詰めていけるマニアックな世界だ。今回はPatriot Memory「Viper RGB DDR4」のDDR4-3200メモリを入手した。この製品を使って、OCメモリとはどのようなものか、どうやって設定するのか、その効果は? といったところを紹介したい。

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普段メモリを選ぶ時、どこに注目しているだろうか。おそらくまず容量、次に値段だろう。ともすればクロックは後回しにされがちだ。定格であればOK、ほかのパーツの予算に回すため、より低価格なものを選ぶ傾向にあるのではないだろうか。しかし、CPUのコア数が増大傾向にあるいま、CPUの性能を引き出すためにはメモリの性能も重要になっている。

  • 使用しているメモリのクロックは、CPU-Zなどのユーティリティで確認できる。CPU-Zを開いて「Mmeory」タブのDRAM Frequencyを2倍した数値がそれだ。スクリーンショットはDDR4-2666のものなので、1333MHzという表記になっている

メモリの定格クロックは少し複雑で、CPUごとに決まっている。第8世代のIntel Core i7/5ならDDR4-2666、Core i3だとDDR4-2400だ。

第8世代Coreでは、Core i7/5でそれまでの4コアから6コアに増強された。コアが増えた分、それに見合ったメモリ帯域が必要となり、DDR4-2400からDDR4-2666へと1つ引き上げられている。逆にCore i3は4コアなので、先代のCore i7/5と同じDDR4-2400で大丈夫という考えだ。

メモリにボトルネックを生じさせないためにも、CPUのサポート上限となるメモリを組み合わせることが重要だ。6コアに増えたCore i7/5を、1つ下のクロックのDDR4-2400メモリで運用することは動作上では問題なくとも、性能的にはオススメはできない。

ただ、定格としているDDR4-2666は、いまのところ、DRAM工場で生産されるレベルでの最大クロックがDDR4-2666であるからという理由が大きいように思われる。そこからより高クロックで動作するものを選別したものがOCメモリと呼ばれ流通しているわけだ。