A9FとZ9Fはともに、8月上旬にソニーヨーロッパが欧州向けのラインナップとして発表したモデルと、同じ基本性能と機能を備えています。注目はソニー独自の新しい映像プロセッサー「X1 Ultimate」を搭載したこと。A9FとZ9Fは、プロが映像制作の現場でも活用できるほどの高画質を誇る「MASTERシリーズ」としてアピールします。
X1 Ultimateプロセッサーは、従来の映像処理プロセッサー「X1 Extreme」と比べて、リアルタイム処理能力が約2倍にジャンプアップ。入力された映像信号のパターンを解析して、データベース化された情報と照合しながら処理します。最適なノイズ除去や、被写体をオブジェクト単位でグルーピングしつつ細部までソースに忠実な超解像処理をかけるなど、洗練された高画質化アルゴリズムが特徴です。
どちらのシリーズも、4K/HDR入力に対応しています。HDRの映像信号は、細部まで高コントラストに再現する「新HDRリマスター」回路によって、被写体の明暗部のディティールを明瞭に再現します。
A9FシリーズはX1 Ultimateプロセッサーにより、有機ELパネルの特徴を生かした明暗の再現力がさらに向上しています。新規に搭載した「ピクセル・コントラスト・ブースター」は、明るさのピークに到達している映像箇所を飽和させずに、鮮やかな色再現を引き出す技術。明るい映像部分の色合いと階調感が、前モデルよりも豊かさを増しています。
一方のZ9Fシリーズは、直下型LEDバックライトを細かなエリアに分割してから、それぞれのエリアごとに明滅をコントロールする「X-tended Dynamic Range PRO」技術を搭載。液晶パネルが得意とする明るい映像の再現力、動画応答性能の高さに加えて、X-tended Dynamic Range PROによって、コントラスト性能がいっそう高まっています。
Z9Fシリーズからは、独自の光学設計技術も加わりました。一般的な高コントラストパネルを搭載する液晶テレビでは実現できなかった、広視野角特性を獲得。画面を横方向の深い角度からのぞき込んでも、映像の色合いやコントラスト感が変化しにくい「X-Wide Angle」が注目すべきポイント。
例えば、家族がリビングに集まって、長ソファや一人用のソファに並んで腰掛けたとしましょう。全員でZ9Fの映像を見るとき、端に座ったとしても、画面と正対して見る場合と同じように、鮮やかな映像を楽しむことができるようになりました。
ほかにも、映像配信サービス「Netflix」の映像製作エンジニアと共同で開発したという「Netflix画質モード」を、BRAVIAとして初めて搭載。A9FとZ9Fの両シリーズは、Netflixのコンテンツを再生するときこの機能をオンにすると、Netflixの動画を制作者の意図したままの正確な画質で楽しめます。