この数年、夏になると大人気なのが「本格カキ氷」。こだわりの天然氷やシロップを使用した人気のカキ氷店は、1時間待ちの行列も珍しくありません。とはいえ、夏の行列は熱中症が心配ですし、なにより「こだわりの店」は多くのメニューが1,000円以上とお高い。なかなか「今日は暑いからちょっと食べに行こう」と気楽に行くわけにはいきません。
そんな理由か、数年前から人気なのが家庭用のカキ氷器です。なかでも人気なのが、「ふわふわ」としたカキ氷が作れるという本格派カキ氷器です。毎年さまざまなカキ氷器が登場しますが、2018年は新しいアプローチで「本格派」を名乗る家庭用カキ氷器が発売されました。ドウシシャの「電動わた雪かき氷器 DSHH-18」(以下、DSHH-18)です。このカキ氷器は、なんと「ヒーター搭載」という異色の製品なのです。
今までのカキ氷器、確かに「ふわふわ」だけど……?
「家電ライター」という職業上、筆者は毎年さまざまなカキ氷器を試していますが、この数年の流行はなんといっても「フワフワ系」の氷が削れるタイプ。従来の家庭用カキ氷器は、食感が「ジャリジャリ」としたものがほとんどでしたが、この数年で増えてきたフワフワ系は、氷が細かく空気を含んだ食感です。とはいえ、このフワフワ系がお店の「本格カキ氷」を完璧に再現しているかというと、正直、違います。
有名店舗で食べる本格カキ氷は、口に入れるとフワリと溶け、噛むとサクッと歯切れよい食感が魅力のひとつ。一方で家庭用カキ氷器のフワフワ系は、口に入れるとフワっと空気を含んではいるものの、噛むとキュッと固まってしまうものが多いのです。カキ氷というより、スキー場のフワフワとした新雪に近い印象です。
「新雪のようなカキ氷」ができてしまう理由は、削る氷が硬すぎるからといわれています。お店で食べる本格カキ氷の美味しさは、氷を「薄く」削ることで作り出されるのですが、硬い氷ではこの薄さを再現できません。
氷を柔らかくする方法は簡単で、室温で氷表面をある程度まで溶かすだけ。カキ氷専門店などでは、ちょうどよく溶けた状態の「柔らかな氷」を、氷の納入業者屋に発注することもあるといいます。
家庭用のカキ氷器でも最適な状態に溶かした氷を使えば、本格カキ氷がある程度まで再現できるらしいのですが、この「最適な溶け具合」って難しいですよね。そこで、DSHH-18はヒーターを使って氷表面を溶かすことで、冷凍庫から出したばかりの氷を「最適な溶け状態」にします。つまり、誰でも最高の状態の氷でカキ氷を削れるのです。