――さすがです! ところで、ヒーローを演じられる上で先輩の俳優さんからアドバイスを受けたことってありますか?
朝の情報番組『ZIP!』でレポーターをやっていたとき、『海賊戦隊ゴーカイジャー』(2011年)でハカセ(ドン・ドッゴイヤー/ゴーカイグリーン)を演じた清水一希さんとご一緒して、今でも仲良くさせていただいています。ときどきご飯を食べに行ったときとか「撮影大変でしょ」なんて心配してくださったり、いろいろとアドバイスしてもらったりしますね。
――思いがけない戦隊ヒーローつながりがあるんですね。たとえば、ヒーローを演じる上で特に心がけていることがあるならば、どんなことでしょうか。
お酒を飲まないよう努めています。この半年間は一滴も飲んでいません。どういうことかというと、お酒を飲むと筋肉が付きづらいんです。そのおかげで、半年間で腹筋が割れるようになりました。お酒を抜いただけで、お腹周りの肉がなくなったんです。なくなったといってもゼロじゃないですよ。0.5mmは残っています。でなきゃ人間として死んじゃいますから(笑)。
――今年1月の制作発表会見でも注目を集めていましたが、まさにヒーローらしい濱さんのクールな低音ボイスがすばらしいですね。
ありがとうございます。
――極力感情を抑えてクールに話す透真のキャラが立っているからこそ、第16話「仲間だからこそ」での"豹変"が際立って見えました。濱さんにとっても、あそこでの演技はかなり頑張られたのではないですか。
ギャングラーのマンタと、透真の心と体が入れ替わったやつですね(笑)。あれは楽しかったですよ。演技については、自分の心が透真ではなくギャングラーになっているので、ギャングラーらしいふるまい方とは何だろう?と思って第1話からの映像を観返したりもしました。しかし、現場に入ったときには、逆に何も考えずにやりましたね。とにかく、全然クールじゃないほうへ振っていこうと。
――透真はどんなことがあっても感情を外には出さず、ストイックな態度を崩さないところが特徴なのに、あの回では女の子にモテてうれしい、といった感情を満面の笑みで表現されていましたね。
透真のキャラは徹底的に作りこんでいますけれど、あのときだけは作りこまずに芝居をしていましたから、そういうところも楽しかったといえます。「戦隊」シリーズには毎年「キャラ崩壊」のエピソードがあるよ、と聞いてはいましたが、今回の場合は透真が豹変したのではなく、中身がギャングラーだった、という部分で救われていますよね。透真としては自分のキャラを崩したくないところがあります。ルパンレンジャー3人のバランスを考えても。
――透真はビストロジュレで料理を作っていますが、濱さんご自身が作っているのですか?
そうなんです。第23話「ステイタス・ゴールド」でギャングラーと透真の「料理対決」があり、最初は調理しているところを「吹き替えで」といわれたのですが、それだと悔しいので、「自分にやらせてください!」って何度も……5、6回くらいお願いしたんです。そうしたら全部のシーンをやらせてもらえました。
――料理シーンをご自分でこなされるとは、それってなかなかできるものではないですね。
この回のために服部栄養専門学校の方が来られて、しっかりと教えてくださったんです。炒め物のときのフライパンの使い方とか、混ぜ方とか、塩のふり方とか、専門的なテクニックをかなり身に着けさせていただきました。肉を焼くとき、油を肉に戻しかける「アローゼ」というフレンチの高度な技術も教わったりして……。もともと料理が好きだったんですけれど、よりいっそう好きになりました。