操作面では、メニューのUIのデザインを改良したことがポイントです。メニュー内の数多くの項目が「撮影設定1/撮影設定2/ネットワーク/再生/セットアップ/マイメニュー」という5種類の色付きタブに分類されたうえで、さらに用途や機能別に整理されて配置されています。これは、上位モデル「DSC-RX10M4」やミラーレスカメラ「α7 III」など、最近のソニー製カメラに共通したメニューUIです。
新機能としては、フォーカスエリア登録機能やフォーカスエリアの「ゾーン」、ハイライト重点測光、画面全体平均測光、5段階のレーティング機能などが追加されています。また、画像処理エンジン「BIONZ X」の進化によって、連続撮影可能枚数の増加や高感度ノイズの低減、瞳AFの追従性向上なども図られています。
逆に、Web経由で機能を拡張する「PlayMemories Camera Apps」や、入門者向けの操作画面「マイフォトスタイル」、光量を抑える内蔵NDフィルターなどは、RX100M6では省かれています。
以上のように、単にレンズのズーム倍率がアップしただけでなく、機能と操作面にもしっかりと改良が加わり、使い心地は一段とよくなっています。10万円を大きく超える価格は決して手ごろとはいえませんが、24~200mm相当の8倍ズームと1インチセンサーを搭載したカメラが胸ポケットに収まることはやはり魅力的です。
高倍率で高機動力ならば、高価なことは納得するしかないのでしょうか。筆者自身、そんな自問自答をしながら、じわじわと迫ってくる所有欲と戦っています。
次回は実写編として、さまざまなシーンで撮影した写真をチェックしながら、RX100M6のさらなる魅力を深掘りしていきます。