レンズ以外の外見上の大きな進化としては、液晶モニターと電子ビューファインダー(EVF)の改良に注目です。液晶モニターは、RX100シリーズでは初めてタッチパネルに対応。タッチフォーカスによる測距点の切り替えのほか、タッチシャッターでの撮影や、MF時のダブルタップによる拡大表示、動画撮影時のピント送りなどができます。EVF利用時に液晶上をなぞって測距点を動かすタッチパッド機能も備えています。

  • 液晶モニターは、どちらも3型のTFT。ドット数がRX100M5(左)の約122.8万ドットから、RX100M6(右)では約92.1万ドットへと低下したのは残念ですが、タッチパネルへの対応はうれしい進化です

  • チルト液晶の下方向への可動は、RX100M5(左)は最大45度でしたが、RX100M6(右)では最大90度に拡大。ハイアングルでの撮影がいっそう楽になりました

  • 上方向への可動については、両機とも180度に対応。画面の下段が少し隠れますが、自分撮りなどに役立ちます

EVFは、独自の収納方式がさらに進化し、側面のスイッチを下げるという1アクションで素早く使用可能になりました。既存のRX100M5の場合、上にポップアップさせたあと、接眼部を手前に引き出すという2アクションが必要でした。

EVFのサイズとドット数は、0.39型/235万ドットという仕様を継承しています。視認性については、そもそも小さなEVFなので、ミラーレスカメラの大きなEVFに比べるとさすがに見劣りはします。しかし、胸ポケットサイズの薄型軽量ボディながらEVFが使えるという利便性は確実にあります。そして、EVFを使うまでの操作の手間が軽減したことは、快適さを高めるありがたい改良だと感じました。そのうえ、表示システムの高速化によって、EVFの表示タイムラグも短縮しています。

惜しいのは、1アクション化にともなって接眼部の周辺にあった枠がなくなったため、のぞいたときに外光の影響を感じやすくなったこと。見やすさ重視ならば従来のRX100M5のEVFが、使い勝手重視ならRX100M6のEVFがそれぞれ有利といえます。

  • EVFはどちらも235万ドットの有機ELで、視野率は100%、倍率は0.59倍に対応。RX100M5(左)は接眼部の周辺が少し高くなっていますが、RX100M6(右)では枠がなくなり平坦です。RX100M6は、ポップアップしたときの勢いで、視度調整レバーがずれる場合があることも気になりました