――そんな15周年記念ライブが7月15日(日)にWOWOWで放送されるわけですが、放送を観る方に向けて、あらためて注目してほしいポイントや見どころなどはありますか?
atsuko 野外ステージということもあって、時間の流れが如実にわかるのが見どころです。ステージの後ろにミラーボールがあって、明るい時間帯は太陽の光がキラキラと反射しているのですが、いったんステージの後ろ扉を締めて、また開いたときには夜になっていて、今度はライトを当てることで、昼間とは違った光を放ちだす。同じものでも時間帯によって見え方が変わってくるところを楽しんでください。
KATSU 時間の流れで言うと、なぜその時間帯にこの曲をやっているのか?そういったところにも注目してほしいです。これは路上ライブをやっている頃に気づいたことなんですけど、曲にはそれにふさわしい場所と時間がある。そして、それが一致していると、みんなが興味を持って聴いてくれるんだけど、ズレていると素通りしてしまうんですよ。夕方には夕方の、夜には夜の曲がある。そういう意味では、この時間にはこの曲を聴いてほしいという僕たちの意思や感覚が組み込まれたセットリストになっています。
――ライブにおけるKATSUさんの太鼓率が上がりましたよね
KATSU 打楽器率は上がりましたね。パーカッションは僕の原点なので(笑)。
atsuko 確実に打楽器のときのほうが楽しそうです。明らかに太鼓を叩いているほうが輝いています(笑)。
――プロフィールのギター&キーボードというのもそろそろ変更しないとですね
KATSU やはり打楽器は楽しいです。好きなんでしょうね。レコーディングのときも、ドラムやパーカッションを見ているのがすごく楽しくて(笑)。もちろんベースなどのプレイもすごいなって思うのですが、テンションが上がるのはパーカッションです。
――今回の映像を観ていると、昔と違って客席のペンライトも増えていますよね
atsuko そこは完全にangelaが時代に乗り遅れたところです。
KATSU 特に禁止にしていたわけではないのですが、angelaのライブではペンライトは使わないみたいな感じになっていて。
atsuko ペンライトを使った応援がメジャーになっていくのにつれて、よく聞かれたんですよ。「angelaは使わないのですか?」とか、「この曲は何色ですか?」って。そういった質問が増えてきたので、angelaのライブでも積極的に導入してみようと。それで、実際にやってみて、いろいろと勉強していく中で、どうせならもっと楽しいことがしたくなり、お客さんにお任せでただ振ってもらうのではなく、このエリアは赤、このエリアは白みたいに色分けしたりすると、すごく面白くて、すごく新鮮な景色が広がった。そうなると、もっともっと面白くて、楽しい景色が観たくなってきて……ぢぇらっこ(angelaのファン)の皆さんはとても協力的なので、とても助かっています。
――15周年記念ライブを経て、今後、20周年、30周年に向けて考えていることはありますか?
KATSU 「蒼穹のファフナー」にせよ「K」にせよ、僕の中では「シドニア」も続いていくと勝手に思っているのですが、angelaが関わった作品は長く続くと思っていただける存在になりたいと思っています。特にオリジナル作品は、みんなが勝負をしているわけですから、監督さんやアニメーターさんや、声優さんが命を吹き込んだ作品がすぐに終わっていくのは、この時代だからこそ、残酷に思えて。自分たちがアニメに関わっている意義として、作品を続けられるような存在にangelaがなれたらいいな、というのが自分の野望です。
atsuko 大きなところでライブをやりたいという気持ちももちろんありますが、それ以上に積み重ねが大事だと思っています。例えばファンクライブイベントなどでは、4~500人くらいのライブハウスで3DAYSをやってみたりもしているのですが、そういったことを続けていくのが何よりも大事なんじゃないかなと。最近では、卒業や脱退、休止、解散というものが、昔と比べてかなりライトな感じになっている気がします。その中でangelaはデビューして15年、結成してからだと、言いたくもないのですが(笑)、25年になります。もちろん、やめるにやめられないところもあるのですが、意地でもやめないという部分も大事なのではないかと。正直な話をすると、活動を休止していたバンドが再始動したり、解散したバンドが再結成すると、すごく盛り上がるじゃないですか。それはそれですごくわかるんですけど、その間もずっと続けているバンドをもっと応援してほしい。絶対にずっと続けているバンドのほうが大変なんですから(笑)。
――ファンにとっても、ずっと続いていく安心感は重要だと思います
atsuko バンドがずっと続くからといって、ライブもずっと同じというわけではありません。本当にライブは生き物で、10年前の映像を観ると、本当に未熟で恥ずかしくなったりする部分もあります。同じような気持ちでやっていても、やっぱり変わっていくところがあるんだなって。今回のライブで初めてangelaを観ていただく方がどういった感想をお持ちになるかはわかりませんが、例えば20周年ライブがあったら、また全然違った印象になるのではないかと思っています。ライブは生き物なので、ぜひ、その瞬間瞬間を見逃さないでいただきたいです。
――それでは最後に放送を楽しみにしている方へのメッセージをお願いします
KATSU WOWOWで自分のライブが流れるというだけでもビックリしています。自分にとってWOWOWは、出るものじゃなく観るものなので、いまだに自分たちのライブが放送されることを信じていません(笑)。本当に放送されるのか、僕も放送日に確認しますので、皆さんもぜひ一緒に確認してみてください。
atsuko 姉がWOWOWの番組表を見たらしく、「あっちゃん、WOWOW出るんじゃなあ」って岡山弁でLINEが来たので、「観てね!」って返しました(笑)。こうやって、たくさんの方に知っていただけるのもうれしいですし、ライブに行きたかったのに来られなかった方たちにもお届けできるという環境は本当にありがたいです。
KATSU angelaはデビュー15年周年なんですけど、いまだにちょっと怖い印象を持たれているんですよ。カッコつけていて、クールで、尖っているような感じ。でも実際は、そんなイメージとは全然違うと思いますので、angelaのすべてがギュッと凝縮されている今回のライブをぜひご覧になってください。