いま急速に市場が広がるスマートスピーカーの軌跡をまとめる短期連載「スマートスピーカー関連ニュース一気読み」。スマートスピーカーの最新動向をまとめてお届けしています。今回は「2018年6月」編です。 |
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6月に目を引いたのは、画面付きのスマートスピーカー、俗にスマートディスプレイと呼ばれるカテゴリの動きです。
まずAmazonからは、丸い液晶を搭載したスマートスピーカー「Echo Spot」が、国内でも7月26日に発売されることが決定しました。米国では昨年から販売されていたモデルで、日本未発表の7インチディスプレイ搭載モデル「Echo Show」とともに、スマートディスプレイの走りとも言える製品です。
ちなみにその「Echo Show」は、Echo Spotを先行展開しているインドでも投入が見送られています。Echo Showの発売は2017年6月とすでに1年以上が経過しており、後継モデルが登場してもおかしくない頃合いだけに、後継モデルが登場するタイミングで各国にも投入するという筋書きも有り得そうです。
Fireタブレットが画面付きAlexaデバイスになる新機能
また同じくAmazonからは、同社のタブレットFireシリーズ2製品を、画面付きのAlexaデバイスとして使えるようにする新機能「Showモード」と、専用の充電ドック「Show Mode Charging Dock」が発表されました。
これがあれば、リーズナブルなタブレットとして人気が高いFireシリーズがそのままEcho Showに近い機能をもたせられるわけで、これからスマートディスプレイを展開しようとしている競合他社にとっては脅威と言えます。
日本ではまだFireタブレットでAlexa自体が利用できないため、今回のShowモードも有効化できませんが、最近になってiOS版のAlexaアプリがAlexaボタンを搭載するなど、スマホやタブレット上でもAlexaを解禁する動きがあるだけに、スマートディスプレイの覇権争いが本格化するであろう今年後半に向けて、何らかの動きはあるかもしれません。
GoogleやLINEも”画面付き”に関心
ところで、こうしたスマートディスプレイにまつわるAmazonの性急な動きは、Googleアシスタント搭載のスマートディスプレイを展開しようとするGoogleの動きを見据えたものだと見られます。
現に海外では、2018年1月に発表されていたLenovoのスマートディスプレイが、7月に出荷が始まる見込みで、ステータスはまだ「COMING SOON」ではありながらも、同社のサイトには製品情報が掲載される(こちらやこちら)など、動きが慌ただしくなっています。この動きも見逃せないところです。
一方、LINEも6月に行われた「LINE CONFERENCE 2018」の中で、7インチのディスプレイ付きスマートスピーカー「Clova Desk」を発表しています。もっとも提供開始は2018年冬と半年近くも先で、その頃には競合他社のラインナップは一歩先を行っていると予想されるため、どの程度の競争力があるかは、今のところ未知数です。
このほか、画面を搭載しない従来型のスマートスピーカーでは、6月にはLINEの小型モデル「Clova Friends mini」が発売されました。限定のドラえもんモデルはすぐに品切れとなり、現在ではプレミアがつく状態になっています。また同社では、韓国で先行投入していたミニオンズモデルも、今秋に発売すると表明しています。