タイ・プーケットと言えば、アジアを代表するビーチ天国。プライベートビーチで波と戯れ、スパで心身ともにデトックス。目にもおいしいグルメの横にお酒もあれば、もう完璧だ。しかし、リゾート慣れしていない筆者からすると、「1日ホテルで過ごしても楽しいのだろうか」と疑問。結果から言うと、「もうちょっとゆっくりしたかった」と思った、その滞在のひとときを紹介しよう。
蒸し暑さはウエルカムドリンクで一掃
訪れたのは、マリオットグループの「ルネッサンス・プーケット・リゾート&スパ」。マイカオビーチ沿いに面しており、「プーケット国際空港からビーチをずーっと行けばたどり着けるわよ」とスタッフが笑顔で言ってくれたが、もちろんこれは冗談。ホテルまでは車で30分程度であり、タクシーなら片道600THB(約1,980円)程度、事前予約制のホテルリムジンサービスから片道1,500THB(約4,950円)となる。
車道から1本小道に入ると、いくつものホテルが連なる林道となり、その奥の方にルネッサンスが待ち構えている。ホテル前には「Pru Je Sarh Lake」と呼ばれる1周3.5km程度の湖が広がっている。この林道はマウンテンバイクコースにもなっているので、ルネッサンス宿泊者は無料のマウンテンバイクを借りて、のんびり走るということも可能だ。
そんな自然の中にあるホテルということもあってか、吹き抜けになったロビーは木の温もりを感じさせてくれる。まずはチェックインを。手続きの合間に出されたウエルカムドリンクが、まぁ、おいしいこと。
タイでは4月下旬~10月は雨季であり、急な雨が降ってはピタッと止み、しばらくするとまた一気に降るという天気が続く。ホテルを訪れたこの6月も降ったり止んだりと忙しなく、蒸し暑い陽気だった。そんな蒸し暑さと旅の移動での疲れに、よく冷えた炭酸が身体に染み渡る。
「セブンアップにジンジャーを入れただけの簡単なドリンクですよ」とスタッフは言うものの、ソファーで小休止しながらいただく一杯は、本当にベストなタイミングでのベストなサービスに感じられた。
ビーチからウミガメが上陸!?
ホテルの中は端から端まで歩いても10分程度ではあるものの、チェックイン後はゴルフカートに乗せて部屋まで案内してくれる。
部屋は大きく分けて2種類ある。ひとつは3階建ての大きな建物の中にそれぞれの部屋が設けられている「デラックスルーム」と、もうひとつは各ヴィラにプールを備えた「プールヴィラ」。特にこのプールヴィラは、ウミガメの産卵地として有名なマイカオビーチになぞらえたもので、海からウミガメたちが陸にあがってきた様子をイメージし、それぞれのヴィラがウミガメの形をしている。
デラックスルームには1室だけキッチン付きの部屋があり、プールヴィラにも1室だけ2階建ての部屋がある。この2部屋は定員4人までとなっているが、それ以外の部屋は、基本的に定員3人仕様だ。
ベランダにソファ、デスク&イス、49インチ液晶テレビ、ミニ冷蔵庫、アイロン、バスタブ、シャワー、独立洗面台、トイレなど。アメニティーのほか、ドライヤーや備え付けられている。また、無料の水に加えて有料のミニバーもあるので、ちょっと小腹が空いた時でも、部屋の中で完結できる。とりあえず、この日はそのまま部屋で休むことにした。
翌朝、目を覚ますと鳥がひっきりなしに鳴いていた。あまりに鳴き声が続くので、つい「誰かの携帯電話が鳴っているのかな」と思ってしまったほど。ベランダからのぞく風景もジャングルと見間違えてしまうほどなので、鳥からすると「こんなところに人間がいるよ」という具合なのかもしれない。
部屋に備えられていたビーチサンダルに履き変えてマイカオビーチに向かうと、思っていたよりも近い場所に海があった。残念ながらこの日も快晴には恵まれず、ややどんよりとした雲が流れていたが、それでも、誰もいないビーチを独り占めできるのは気分がいい。ビーチの側にはプールがある。訪れた7時頃は記念撮影をしている女性がふたりだけだったが、改めて日中に行くと、家族連れからカップルまで様々な人が思い思いに楽しんでいた。
実のところ、昨夜はあまり食べずに寝てしまった。モーニングをたっぷり楽しむ準備は万端だ。