まずは各レンズをα7 IIIに装着し、撮影時のホールドバランスをチェックしてみます。
構えたときに最もバランスがいいと感じたのは、キットレンズのFE 28-70mm F3.5-5.6 OSS(重量295g)です。α7シリーズ共通の魅力として、フルサイズセンサー搭載カメラとしては画期的な小型軽量を誇りますが、その高い機動力を生かすにはFE 28-70mm F3.5-5.6 OSSが最良でしょう。
しかも、レンズ前玉部分の繰り出しが少なく、ズーム位置を問わずレンズの重心がほとんど変化しない点も、FE 28-70mm F3.5-5.6 OSSのメリットといえます。
その次に軽いのは、タムロンの28-75mm F/2.8 Di III RXD(重量550g)です。全長はやや長めですが、最大径は比較的小さく、ホールドバランスは悪くありません。シンプルなデザインも好印象を受けます。
FE 24-105mm F4 G OSS(重量663g)は、同じ焦点距離を持つフルサイズ一眼レフ用の他社製レンズに比べると軽量ですが、ボディとのバランスという点ではややフロントヘビーに感じます。ちなみに、α7 IIIのボディ重量はメモリーカードと電池を含めて650g。このレンズの場合、ボディ側とレンズ側がほぼ同じ重さになります。
FE 24-70mm F2.8 GM(重量886g)はずっしりとした重みがあり、かなりアンバランスに感じます。左手でレンズを包むように持ち、両手でしっかりと支えながら撮ることが欠かせません。ひとことで言えば、腕力や体力のある人向け。とはいえ、一眼レフ+大口径ズーム経験者なら特に問題はないでしょう。ボディにオプションの縦位置グリップを装着し、ホールド感を高める手もあります。