今年3月に登場したソニーのミラーレスカメラ「α7 III」が好調な売れ行きを見せています。人気の理由は、画質面で有利なフルサイズセンサーを搭載しながら、小型軽量ボディと高速レスポンス、高機能を兼ね備えていること。価格はボディ単体でも20万円を超えますが、その価格に見合う高付加価値カメラといっていいでしょう。

そんなα7 IIIの購入者や購入予定者にとって、悩みのタネがひとつあります。それは、αと組み合わせる標準ズームレンズに何を選べばいいのか、という問題です。かくゆう私自身も悩みました。特に、初めてソニーEマウントのフルサイズミラーレスを購入する人にとって、1本目のレンズをどれにするかは、その後の写真生活を左右する重要なテーマといえます。

  • ヒットを続けているソニーのフルサイズミラーレス「α7 III」(手前)。キットレンズ(左端)が付属するレンズキットならば標準ズームレンズが割安に入手できますが、それで満足してよいのでしょうか!?

一般的には、とりあえずレンズキットを選ぶのが無難かもしれません。α7 IIIは、ボディ単体モデルのほかに、小型軽量の標準ズームレンズが付属するレンズキットが用意されています。しかし、せっかく大枚をはたいて「いいカメラ」を買うのに、はたまた念願のフルサイズ一眼を買うのに、レンズはキットレンズで満足できるのか……。高性能レンズを選ばないとせっかくのボディの性能を発揮できないのでは……。カメラに詳しい人ほど、そう考えるはずです。

そこで本稿では、α7 IIIに適したフルサイズ対応の主要な標準ズームレンズを比較し、その違いを見ていくことにします。

今回選んだレンズは、ソニーの「FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS」(SEL2870)、タムロンの「28-75mm F/2.8 Di III RXD」(Model A036)、ソニーの「FE 24-105mm F4 G OSS」(SEL24105G)、ソニーの「FE 24-70mm F2.8 GM」(SEL2470GM)の4本です。

  • ソニーの「FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS」は、レンズキットに付属する標準ズーム。発売は2014年2月で、レンズ単体の実売価格は税込51,000円前後。α7 IIIのキットモデルならば、レンズ単体での購入よりも割安に入手できます

  • タムロンの「28-75mm F/2.8 Di III RXD」は、全域F2.8の明るさと小型軽量を両立した大口径標準ズーム。発売は2018年5月で、実売価格は税込94,500円前後

  • ソニーの「FE 24-105mm F4 G OSS」は、広角から中望遠までの幅広いズーム域が特徴の標準ズーム。発売は2017年11月で、実売価格は税込161,000円前後

  • ソニーの「FE 24-70mm F2.8 GM」は、同社の高級レンズ「G Master」シリーズに属する大口径標準ズーム。発売は2016年4月で、実売価格は税込272,000円前後