エンジンはルノー/日産アライアンスが開発した1.8L直列4気筒ターボ。最高出力185kW、最大トルク320Nmを発揮し、7速DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)で後輪を駆動する。1.8L4気筒というのは旧型「A110」の最高性能版と同じ数字で、ここからも伝統を感じる。もちろん、スポーツカーにふさわしい音にもこだわったそうだ。

サスペンションは、タイヤ接地面変化が少ないことからレーシングカーでは定番となっている「ダブルウィッシュボーン」という形式を前後に採用。実用車で多用される「ストラット式」を用いたライバルに差を付ける。ここにもアルミを多用して軽さに配慮している。前後重量配分は44:56で、ミッドシップスポーツとしては理想的な値。加えて重心高も低く、高次元のハンドリングが期待できる。

  • アルピーヌの新型「A110」

    新型「A110」は高次元のハンドリングを期待させるクルマだった

争奪戦に? 50台限定で価格は790万円

こうした内容を持つ「プルミエール・エディション」の価格は税込み790万円。50台限定でハンドル位置は左、色はブルーのみだ。アルミ製ボディ/プラットフォームやフレンチスポーツらしいデザイン、プレミアムブランドと呼びたくなる作りの良さなどを考えれば安いという声が、発表会場では多く聞かれた。

販売方法についてのアナウンスもあった。2018年7月10日までオフィシャルウェブサイトと全国14店舗の正規販売店で購入申し込みを受け付け、その数が50件を超えた場合は15日に抽選を行う。この抽選もフランス大使館で大使立会いのもと行うという。翌日にはウェブサイトに当選番号を掲載するとともに、当選者にはメールで通知し、正式受注が始まるという段取りになる。

  • アルピーヌの新旧「A110」

    新型「A110」(手前)は限定50台で、購入申し込みが多い場合は抽選となる

プルミエール・エディションに続いて量産車が導入される見込みで、ベースモデルとなる「ピュア」と上質な仕立てを施した「レジェンド」が予定されている。こちらについては、年末までにアナウンスされるようだ。おそらくブルー以外のボディカラー、右ハンドルも選べるようになるだろう。

購入を考えている人は迷うところかもしれないが、いずれにせよ現実的な価格とサイズのスポーツカーが、アルピーヌという名門復活という形で現れたことを歓迎するクルマ好きは多いのではないだろうか。