家族という単位は、例えば3人から6人、さらに先代の祖父母へと拡がっていく。個人的な体験として、テクノロジーにそこまで明るくない父母がiPhoneやiPadを使っていてくれると、非常に助かることが多かった。
多くの人が、親世代のシステム管理者のような振る舞いを迫られるが、Androidスマートフォンを使っていた頃、しかも父と母で異なるメーカーのデバイスを使っていると、いくら自分がAndroidユーザーであっても、インターフェイスや設定項目が同じではないため、遠隔でのサポートが難しい。頼み込んでiPhoneにしてもらうと、家族間の「サポート業務」の時間は激減した。
Appleは家族でApple製品を利用する潜在的なメリットを既に手中にしていたが、ファミリー共有はそれを顕在化させるための一手と言えよう。継続的にApple製品を更新してくれる家族が増えることは、重要なユーザー基盤を構成していくことになるからだ。
さらにAppleは、ユーザーに対して、別の潜在的メリットがあると考えられるユーザーの集団を、顕在化してマーケティングに活用しようとしている。それが「グループ」だ。