ハイエンドが5GHzに達したと言っても、真のメモリパフォーマンスはクロックが高ければそれでよいというものでもない。アクセスタイミングも重要な要素だ。例えば、GALAXブースでは日本におけるオーバークロッカーのパイオニア的存在のduck氏が毎年記録を賭けたOCに挑んでおり、2018年もSuperPiの世界記録を樹立した(計測時)。

  • 今年も液体窒素冷却で記録に望むduck氏(以下の2枚を含めて写真はduck氏提供)

32Mのベンチマークで4分9秒688ms。その際の構成を見ると、CPUはCore i7-7740Xを7302MHzにOC、メモリは4181MHz。GALAXが5GHzモジュールを展示していたことからすれば、4181MHzというメモリクロックはそこまで高くないように見える。

  • 世界記録達成時のスクリーンショット。CPUは7.3GHz、メモリはDDR4-4181。注目はメモリのアクセスタイミング

ところがメモリがパフォーマンスに無関係というわけではない、今回の4181MHzのメモリのアクセスタイミングはCL12-11-11-28という攻めたセッティングだ。メモリのパフォーマンスチューニングは奥が深く面白い。

  • 記録樹立時に用いられたメモリモジュール。普段目にするものとはかけ離れた記録専用のヒートシンク構造だ

メーカーをまたいでデザインを統一するTUF Alliance

ハイエンドが5GHz台に突入したことで、4GHz台の製品はこれまでよりも少しだけ身近なものになるだろう。そしてエントリークラス、エントリーゲーミングでは、3GHz台がメーカーのターゲットとなっているようだ。

そのような中、複数のメーカーが共同で、1つのデザインコンセプトに沿って製品を展開する「TUF Alliance」という動きが生まれている。TUFは、ASUSのマザーボード「TUF Gaming」のデザインコンセプト。ブラック/グレーのデジタル迷彩にイエローのラインというインパクトあるデザインだ。メモリメーカーでは、確認しただけでMicron Ballistix、Team、Antec、GeIL、Apacer、G.Skill。Corsairなど、デザインも豊富にラインナップされていた。

  • Micronの「Ballistix Sport AT」はDDR4-3000。ライトなOCメモリという位置付けで安定性と1つ上のパフォーマンスをエントリーゲーマー向けの価格帯で実現する

  • Teamの「T-FORCE VULCAN TUF Gaming Alliance DDR4」。DDR4-3600~2400をラインナップ。ほかのTUF Allianceメモリよりもイエローの領域が多め

  • AntecのTUF Allianceメモリはイエローなしのブラック/グレー。TUF Gamingマザーにはイエロー有り無しモデルがあるのでイエロー無しマザーにはこれがマッチ。LED有り無しを展開する

  • GeILのSuper Luce RGBのTUF Allianceモデル。RGB LEDを搭載しており、もちろんASUSTeKのAURA SYNC対応

  • ほかにもApacerやCorsair、G.SkillなどもTUF Allianceに参加している