今から20年後を舞台にした、人間そっくりのアンドロイドと、そこに芽生える感情のようなもの

「あ。このゲーム、好き……」
前知識ゼロで始めた、このゲーム。プレイ開始後、わずか数分でこんな気持ちになったタイトルは、人生の中で何本目でしょうか。私はこのソフトに一目惚れしました。

確かに、私は映画『ブレードランナー』(1982年)が大好きで、続編『ブレードランナー2049』(2017年)公開前は落ち着かなくて、予習で『ブレードランナー』のBlu-rayを毎晩観ちゃうくらいのファンではあります。

この『Detroit: Become Human』は、『ブレードランナー』に代表されるように、「人間そっくりのアンドロイドに感情が芽生えたら、それはアンドロイドなのか? 人間なのか?」という、SFの世界では幾百回と取り上げられたことがある、決して珍しくはないテーマを扱っています。

ただし、このテーマを扱った作品は「主人公が人間」であることが多いのですが、本作の主人公は、3体のアンドロイドたち。プレイヤーは、この3体のアンドロイドに宿る「心」となり、行動を選んでいくことになります。

  • 現在のスマートフォンショップのような場所で売られているアンドロイドたち。ショールーム内に展示されたアンドロイドに対して、「こちらのアンドロイドは高額ですが、その分だけ高性能で……」などの説明が行われている

最初に言っておきます。この手のテーマが好きなら、迷わず買ってください。 近未来ディストピア好きも同様です。

このゲームのジャンルはアドベンチャーゲームで、たまにQTE(クイックタイムイベント。制限時間内に〇ボタンを押せ、とかいうイベントのこと)もありますが、QTEの難易度は設定で低くできます。

一般的な「ゲーム好き」で、このゲームニュース記事を読んでいるような人であれば、全員が最後まで遊べますから、ご安心下さい。

  • QTEの例。こうした表示が出たら、周りの白い枠が消えるよりも前に「〇」ボタンを押せばいい

ストーリーの流れにどう関与するかは、アンドロイドの心=あなたの行動次第

ゲームの流れは、一般的なアクションゲームのように左スティックでキャラクターを動かし、画面内で関与できるアイテムや場所まで移動して、ボタンや右スティックで物を拾ったり、調べたり、ドアを開けたりする……というのが基本操作です。

一応、R2ボタンを押すと、「画面内で反応がある物体や、人がいる場所はここ」という表示ができるので、アドベンチャーゲームにありがちな「次にやるべきことがわからなくて詰まる」ということはありません。考えるべきは、「行動」だけです。

  • R2ボタンを押したところ。黄色い四角アイコンが表示されているところが、拾ったり調べたりできる場所。画面中央に出ている「犯行現場を調べる」などの文字は、次にやるべきことが表示されている

3体のアンドロイドに感情を与えるプレイヤー

プレイヤーが操作することになるのは、3体のアンドロイド。それぞれのキャラクターのストーリーが交互に出現し、ストーリー的に一段落つくと、次のキャラクターのシナリオが始まる……という感じで進行していきます。

1)コナー

アンドロイドによる犯罪の捜査をサポートするために製造された、試作型アンドロイド。

  • 現場に残された人物の顔をデータベースと照会したり、証拠を調べて事件の模様をCGシミュレーションで再現するなどの能力を持っている

2)カーラ

家事手伝いなど、人間生活のサポートをするために製造された女性型アンドロイド。アンドロイドの進出によって職を失ったトッドと、その娘アリスがいる家に仕えている。

  • 部屋の掃除をし、料理を作り、食卓にいる二人のコップに水を注ぐ……という仕事をこなしている

3)マーカス

芸術家の老人を介護するために雇われた男性型アンドロイド。食事の用意や注射の接種、移動のサポートなどを行う。

  • 芸術家の老人に仕え、全幅の信頼を得ている。それだけに、老人の息子からは厄介者と思われており……