2018年6月4日(月)午前10時(タイ現地時間)に始まったMMThの生産500万台記念式典には、来賓として佐渡島史郎日本国大使、三又裕生JETROバンコク事務所長などが来場。タイからはソムキット副首相をはじめ、ヒランヤー首相府省副大臣ら政府関係者のほか、MMThのアドバイザリーボードメンバーや主要メディア関係者などが訪れた。

式典のスピーチで三菱自動車CEOの益子修氏は、タイの「電動車インセンティブ」に参加することを表明。ASEAN地域における電動車製造のリーダーへの第一歩を踏み出した格好だ。

三菱自動車CEOがタイで語ったこと

一寸木(ちょっき)守一MMTh社長兼CEOのウエルカムスピーチに続いて登壇した益子修氏は、MMThにて500万台の生産が達成できたことに対する感謝を述べた後、その背景について語った。

「当社は、タイの国内経済が成長を続け、世界的な製造拠点となることができることを確信していました。長期的に自動車産業の成長を促進する貴国の政策が、当社のビジネスを支えてくれました。これがあったからこそ、当社は1961年からタイで投資を行うことができました」

「当社は1987年に販売会社と製造会社を統合することで、ビジネス基盤を強化しました。2003年にはミツビシ・モーターズ・タイランドを設立し、累計生産台数100万台を達成しました。累計生産台数は2010年には200万台、2013年には300万台、2015年には400万台に達しました。そして、今日500万台が実現しました」

さらに、益子氏はタイが同社のグローバル生産拠点であることを強調しつつ、タイのモータリゼーションが進もうとしている道について、次のように語った。

  • 三菱自動車タイ式典の様子

    式典に出席した益子CEO(中央、右から2人目)

「今後、タイは電気自動車へのシフトを図ろうとしており、電気自動車に関する包括的なインフラの開発を支えながら、メーカー向けの施策を実施しようとしています。このような状況は、三菱自動車のクリーンなエネルギーのための施策と合致し、三菱自動車はタイ政府およびエネルギー企業と力を合わせて、約10年前から電気自動車のインフラ開発に取り組んでいます」

「ソムキット副首相が提供する『タイランド4.0』というインセンティブ政策は、タイを環境に優しい技術を導入していく国家へと変えるものです。私たちもタイの自動車電動化についてしっかりと調査し、その政策にしっかりと対応して行きたいと思っています」

タイにおいて具体的にどういうクルマを発売するなどという発言はなかったが、電気自動車(EV)もしくはプラグインハイブリッド車(PHEV)の製造について最初の一歩を示した今回の決断は、タイ、いやASEAN地域における、三菱自動車の存在感の大きさをあらためて誇示したものとなった。