再生可能エネルギーの重要度が高まっている。LNGや石炭を使った火力発電は高出力だがCO2排出の面で難があるし、原子力発電は事故発生時の対応がきわめて困難だ。2011年の東日本大震災のとき、ヘリコプターからの放水シーンをみて、歯がゆく感じた方もいるだろう。
そうした事情で、再生可能エネルギーの重要性が高まっているのだ。
では、再生可能エネルギーを使った発電にはどのようなものがあるのか。真っ先に思い浮かぶのが太陽光発電。ソーラーパネルが太陽の光を受けそれを電気に変換するのが基本的な仕組みだ。また、風力発電を想像された方も多いだろう。ブレードを風力で回転させ、その力で発電機を稼働し電気を生み出す。だが、ともに大きな問題がある。天候に左右されてしまうのだ。
しかも、社会的な問題もある。再生可能エネルギーで生じた電力は、電力会社が買い取るというFIT法が施行されたが、この収入を当て込んで太陽光発電に参入した業者のなかには、設備投資が行えず放置状態に陥ったところがかなりある。FITにより買い取った電力の費用が、国民に転嫁されるという不安もある。さらに、風力発電は騒音や振動、景観といった問題で、近隣住民の理解を得られないこともある。
期待されるバイオマス発電
一方、バイオマス発電が注目されている。これは、木材などを燃やすことで水蒸気を発生させ、その水蒸気でガスタービンを稼働させ電気を発生させる方法。原理は火力発電と同じだが、化石燃料を使わないことがポイントとなる。木材を燃やしたときにCO2は発生するが、そもそも空気中のCO2を吸収した植物を燃やしたガスなので、“プラスマイナスゼロ”という考え方、「カーボンニュートラル」に沿っている。
だが、問題もある。木材を乾かしチップ状にするには、コストと手間がかかる。さらに、林業に従事する人材が減少しているという、社会的な問題もある。ただ、再生可能エネルギーを活用した発電は、今後の命題であることには変わりない。
と、かなり前置きが長くなったが、古くから再生可能エネルギーを活用した発電がある。そう、水力発電だ。