ATTO Disk Benchmark 3.05でもリードは約2.2倍、ライトは約3.4倍高速化
次に、「ATTO Disk Benchmark 3.05」を利用して、転送速度を計測してみた。WD Black NVMe SSD 1TBでは、転送サイズ1MBでのリードが3405.524MB/秒、ライトが2857.114MB/秒と、リード、ライトともに公称値をわずかに上回った。
WD Black PCIe SSD 512GBでは、同じく転送サイズ1MBのリードが1539.654MB/秒、ライトが828.898MB/秒だった。リードでは約2.2倍、ライトでは約3.4倍、新型のWD Black NVMe SSD 1TBのほうが高速である。
表面温度は旧モデルとほぼ同等
最近の高速SSDは、コントローラやフラッシュメモリの発熱も増加しており、連続動作させると温度がかなり上昇し、パフォーマンスが低下する可能性がある。そこで、動作中のSSD温度を計測してみた。
Iometer 1.1を使って、ランダムアクセス(リードとライト半分ずつ)を連続して行い、非接触温度計「N10IT001」を利用して、SSDの表面2か所(表側のラベルの左側部分と表側のラベルの右側部分)の温度を1分ごとに計測。結果は下の表にまとめた通りだ。
WD Black NVMe SSD 1TBとWD Black PCIe SSD 512GBの比較では、WD Black PCIe SSD 512GBのほうがわずかに温度が高いが、ほぼ同等という結果になった。
今回は1TBモデルと512GBモデルを比較しており、当然1TBモデルのほうが消費電力も大きく、発熱も大きくなることが予想されるが、実際に測定すると表面温度にほとんど差はなかった。前述したように、WD Black NVMe SSD 1TBでは、基板の裏面に放熱用と思われる黒いシートが貼られており、その効果が出ているのであろう。
旧製品から大幅な性能向上、パフォーマンス重視の人におすすめ
今回の検証からも明らかになったように、WD Black NVMe SSDは、旧モデルのWD Black PCIe SSDに比べて、大幅な性能向上を実現した。WD Black PCIe SSDは、PCIe/NVMe対応SSDとしては他社製品と比べて性能的に不満があったのだが、WD Black NVMe SSDなら、他社のNVMe対応超高速SSDと比べても見劣りしない。
速度だけでなく、書き込み可能容量も2~2.5倍に増加しており、WD Black PCIe SSDでは用意されていなかった1TBの大容量モデルも加わっている。2018年のNVMe対応超高速SSDとして、満足できる製品といえるだろう。ストレージ性能にこだわるヘビーゲーマーはもちろん、4K動画編集などストレージ性能が重視される作業を行う人におすすめしたい。