5月3日夜のCNBCの番組の中で、米国を代表する投資家の一人であるウォーレン・バフェット氏は、同氏が率いるBerkshire Hathawayが2018年第1四半期にApple株を7500万株買い増し、合計2億4000万株で保有第3位になったことを明かした。翌5月4日にApple株は大きく上昇し、上場来高値の184.25ドルを記録した。
Apple株は、決算発表前の4月最終週には160ドル近辺まで下落していた。iPhone Xの販売不振が報じられ、利益確定も含めて株価が売られた結果だった。そのようにもやもやしているところにバフェット氏のコメントが好材料としてもたらされ、急反発したわけだ。
Appleの株価は、iPhoneの販売不振の「噂」で一喜一憂している。Appleの売上高の6割以上を占めるiPhoneの販売台数が、Appleのバイタルチェックに活用されることに大きな疑問はない。だが、前回の原稿の通り、その販売台数を増やし続けていくことは、今後ますます難しくなっていくだろう。
iPhone Xは、999ドルという価格と大きな利幅によって、同等もしくはそれ以下の販売台数でも売上高を高めることができることを示した。その点でいえば、iPhoneの販売台数よりも売上高に注目していくべきといえるかもしれない。
その一方で、季節変動や新製品の有無にかかわらず、前期比10%前後、前年比30%前後の成長を続けているのが「サービス部門」だ。スマホの飽和時代を迎え、Appleはこちらを新たなバイタル指標にしてもらおうとしている。ただ、そうなれば、再びiPhoneの販売台数が重要になる可能性がある点は、最後に触れよう。
絶好調のサービス部門、米国の大企業並みの規模に
Appleの2018年第2四半期決算では、引き続きサービス部門の高成長が目立った。売上高は91億9000万ドル(約1兆50億円)で前期比8%増、前年同期比31%増と引き続き高い成長率を遂げている。これまで、Appleはサービス部門を「Fortune 100企業と同等の売上高」としてきたが、同程度のFacebookを上回り、現在は80位前後の売上規模に相当する。
この規模でわれわれ日本人にもなじみのある米国企業は、スポーツ用品の世界的ブランドであるNike、クレジットカードブランドのAmerican Express、ユナイテッド航空の親会社であるUnited Continental Holdings、Oracle、Goldman SacsやMorgan Stanleyといった大手証券会社や保険会社と入った金融企業が名を連ねる。
ちなみに、Apple全体はForutne 500のリストで第3位となっており、1位はスーパーチェーンのWalmart、そして2位は前述のApple株を買い増した投資会社Berkshire Hathawayだ。