上間氏「G-SHOCKが大ブームになった理由として、3つのイノベーションがありました。ひとつは、ユーザーとのコミュニケーション。『シブカジ、スニーカー、G-SHOCK』が若者のマストアイテムだと、市場に対して仕掛けていきました。
2つめは、商品性の進化。最初、G-SHOCKは真っ黒いモデルだけだった。そこに、イエローやレッドといった当時は斬新なケースとバンドカラーの商品を投入しました。これは新しい時計文化でした。ホワイトカラー(ラバーズコレクション)や、スケルトンモデルも作った。これもヒット。これらは当時、時計業界の非常識といわれました。
3つめはコラボレーション。G-SHOCKのブランディングは、スポーツ、ファッション、アート、ミュージックという4つのカルチャーを常に意識していて、それぞれのステージで多くの人とコンタクトしながらG-SHOCKを知ってもらって、好きになってもらうようプロモーションを行いました。この3つのイノベーションが90年代のG-SHOCKブームを起こしたと解釈しています」
そのG-SHOCKも今年で35周年。記念モデルのリリースのほか、多くのブランドやアーティストとのコラボレーションも行っています。反響や今後の予定について、上間氏は次のように語ります。
上間氏「今までG-SHOCKは、基本的にカッコよくありたいと考えてブランディングを行ってきました。が、35周年を迎え、コミュニケーションの手法も少しずつ進化、シフトしていく必要があると考えています。カッコよさに加え、今年は新たに『面白い、楽しい、驚き』をキーワードに加えていこうと。
商品のラインナップも通常ラインとは別に、私が企画したコミュニケーションモデルを数多く展開しています。
具体例としては、ファッションデザイナーのNIGOさんと、G-SHOCKの生みの親である伊部のダブルネームで全世界35本だけを抽選販売したモデルや、G-SHOCKではやったことがなかった本革を使ったHender Scheme(エンダースキーマ)さんとのコラボモデル、イラストレーターの長場雄さんとのコラボで、G-SHOCKではほとんどやらないようなイラストタッチのモデルなどですね」
上間氏「最近では、ビッグマック50周年を記念したマクドナルドさんとのコラボモデル。みなさん、ここに来るか? と感じるだろうところにあえて行ってみたのですが、これも反響は大きかったですね。
大事なのが、これらはすべて日本発の企画なのですが、エンダースキーマのモデルが欲しい、ビッグマックのが欲しいと、世界中から問い合わせが来ること。まさに、新しい時代の流れを感じますね。G-SHOCK35周年は12月まで。まだまだ隠し玉がありますので、どうぞご期待ください」
そして、トークショーは第2部へ。ステージに現れたのは、UNITED ARROWS & SONS ディレクターであり、名物バイヤーの小木"POGGY"基史氏。なお、今回のカシオブースのスタイリングも、POGGY氏のディレクションによるものです。