カシオ計算機は、2018年4月25~27日に東京ビッグサイトにて開催されたファッションイベント「IFF MAGIC」内にて「G-SHOCK fits your style」と題した特別ブースを出展。プロフェッショナルのニーズに応える実用性、そして音楽やダンス、スケートボードといったストリートカルチャーに縁の深いカジュアルウオッチG-SHOCKと、ファッション界をリードし続けるUNITED ARROWS(ユナイテッドアローズ)の高感度なスタイリングのコンビネーションを展示しました。
これを機に、かつてG-SHOCKのコラボモデルを発売したこともある両社のスペシャルトークショーが実現。その様子をお届けします。
ステージに登場したのは、ユナイテッドアローズ創業メンバーの一人であり、現在は同社クリエイティブディレクション上級顧問として活躍されている栗野宏文氏と、カシオ計算機からG-SHOCKグローバルプロモーションマネージャーを務める上間卓氏。カシオの上間氏は、1990年代のG-SHOCKブームにさまざまなカルチャーを取り入れて、ブランディングを成功させた立て役者の一人です。
さて、前述の通り、ユナイテッドアローズとカシオ計算機は、1996年にコラボレーションモデルを発売しています。これは、どのような経緯で実現されたのでしょうか?
上間氏「90年代の初め、G-SHOCKはアメリカではその実用性が評価されていた一方、日本ではまだまだブランドとして認知されていませんでした。栗野さんと出会ったのは、ちょうどそのころでしたね」
栗野氏「それまでカシオさんとの取り引きはありませんでしたが、商品自体は存じ上げていました。というのも、海外では、G-SHOCKは1980年代から店頭に置かれていましたから。おそらく正規取り扱いでなく、勝手に仕入れて売っていたんでしょうね。買いやすい価格と、機能本位であることから、僕もいい商品だなと思っていました。
そして、せっかく上間さんとお知り合いになれたので、一緒に何かしましょうということになった。どうせなら自分たちらしいものをと考えて、アナログのモデルを選びました。当時のG-SHOCKはデジタルが普通だったんです。なのに針が付いているのがいいと思って」
上間氏「このモデルは、実は廃盤モデルだったんです。それをユナイテッドアローズさんのためだけに復刻しました」
栗野氏「(廃盤なのに)カシオさんが引き受けてくれたのは嬉しかったね」
上間氏「これを復刻したことにリスペクトをいただいて、当時、原宿のユナイテッドアローズ本店の中に『W-SHOCK』というお店を作ってくださったんですよね」
栗野氏「W-SHOCKの"W"は、アントワープのデザイナー、ウォルターヴァン・ベイレンドンクの頭文字なんです。当時、彼の『W&L.T.(ワイルドアンド・リーサルトラッシュ)』という強烈な名前のブランドがあったんですよね。何しろ、ワイルドで究極のゴミ、ですからね(笑)。
その取り扱いをちょうど僕らが始めていて、カシオさんとのコラボレーションも始まった。じゃあ、その時代の一番イキのいいものを同じ場所で売ろうということで、W-SHOCKと名付けました。ものすごく大きなG-SHOCKの壁がけ時計のオブジェを作ったり、とにかくノリノリでやっていましたね」
上間氏「このお店には大きな反響があって、G-SHOCKがファッション業界に入っていけるきっかけになった。つまり、今回出展したG-SHOCKブースにもつながっているんですね」
そして、話題は90年代のG-SHOCK大ブームへと移ります。