Firefox 60の新機能
Firefox 60の新機能であるが、以下の通りである。
- Windows Group Policy、もしくはクロスプラットフォームのJSONファイルを使用し、エンタープライズ環境でFirefoxの管理・カスタマイズを可能にするポリシーエンジンを追加
- 新しいタブ・Firefoxホームでの機能拡張。具体的には、以下の通り。
-ワイドスクリーンディスプレイを利用するユーザー向けにより多くのコンテンツを表示する応答性のよいレイアウト採用
-ハイライト部分に、Pocketに保存されたWebサイトが表示
-Webページ上のセクションとコンテンツの順序を変更するオプションが追加
-Pocket Sponsored Storiesは、米国におけるユーザーの使用率で表示 - オプションメニューのCookieとサイトデータを再設計。訪問したサイトとサードパーティーのCookieをより明確にして制御可能に
図5 新しくなったCookieとサイトデータ
- Quantum CSSを採用し、ブラウザのUIをレンダリング
- Web Authentication APIのサポートが追加。これにより、Webトークン認証用のUSBデバイスの使用が可能に
- 強化されたカメラのプライバシーの採用。ビデオ録画を無効にすると、Firefoxはカメラとカメラのライトを自動的にオフにし、録画を再開するとカメラとライトをオンに
- Linuxユーザー向けに、ブラウザの上部にあるバーにページタイトルを表示または非表示にするオプションを追加。メインブラウザのメニューから[カスタマイズ]パネルのタイトルバーオプションを選択可能
- WebRTCオーディオパフォーマンスと再生の改善(Linux版)
- 最新のドラフト版であるTLS 1.3をデフォルトでサポート
- ロケールにオック語(oc)版が追加
- セキュリティアップデート
今回のアップデートでは、Look & Feelで大きく変更されたものは少ない。Web Authentication APIについて補足しよう。具体的には、YubiKeyといったデバイスが該当する。USBポートに差し込み、パスワード認証などの際にタッチすることで、ワンタイムパスワードの生成・入力が行える。これ以外には、FIDO U2Fの二段階認証やスマートカード/PIV機能も利用可能である。USBメモリと似たような形状なため、バッテリー、専用のソフトウェアやドライバも不要な点が使い勝手を向上させている。パスワード管理が容易になり、より高いレベルのセキュリティ対策も施しやすい。
また、新たなポリシーエンジンの採用により、エンタープライズ向けFirefoxもリリースされた。
セキュリティアップデートであるが、最高レベル3個、高レベルが6個、中レベルが14個、低レベルが4個の計27個となっている。 それ以外のプラットフォームでは、
- Android版で、高速CSSエンジンQuantum CSS(Stylo)がサポート
- macOSでWebVR APIが利用可能に
といった新機能も追加されている。