Appleは米国時間5月1日、2018年第2四半期決算(1〜3月)を発表した。売上高は611億3,700万ドルで前年同期比約16%増、純利益は138億ドルで前年比25%の増加。1株あたりの利益もアナリスト予測を上回り、2.73ドルとなった。今回の決算で、Appleは1,000億ドルの自社株買いを発表。これにより株価は、時間外で175ドルを回復した。

そもそも、Appleの株価は決算発表前の10日間で7%下落していた。その原因とされていたのは、iPhone Xの売れ行きへの不安だった。

  • 予想より売れていたiPhone X

Appleの決算発表前の株価下落の原因は、同社に関連する他の企業から出てきた様々な情報によるものだった。

AppleはiPhoneを製造するにあたり、世界中のサプライヤーから部品を調達している。それらの企業の決算の数字は、Appleに対する売り上げを反映していると考えられており、iPhoneの売れ行きを推し量る情報源となるからだ。

具体的には、iPhone向けのプロセッサを製造しているTSCM、iPhone X向け有機ELディスプレイを1社で納めるSamsungなどの企業の業績が停滞していたことから、「iPhoneの販売が頭打ちなのではないか」「その原因は価格の高いiPhone Xの不振からくるのではないか」と憶測が広がり、iPhone XよってAppleのスマートフォン戦略が死んだとまで書くメディアも出てきた。

またApple第二の市場となった中国のスマホ市場の減速も重なる。Appleは各市場ごとの販売台数は発表しないが、調査会社はAppleがシェアを伸ばした、あるいは下位に転落したなど、ポジティブ、ネガティブ双方のデータが入り乱れており、ネガティブな情報が前述の部品調達の停滞と重なり、「iPhone Xは売れていない」という情報が出来上がった。