ビールが進んでしまうカレー
「四万十ぶしゅかんグリーンカレー」(税込500円)は、高知県でとれる酢みかんの一種「ぶしゅかん」を大胆にもカレーと組み合わせた。意外にも、この柑橘類×カレーのコラボは相性がいいと早苗さんは話す。
「ぶしゅかんは酸味の強いみかんで、お酢代わりに使われています。それをグリーンカレーに入れているので、すごく後味がさっぱりしています。このカレーを食べた方は、よく『ビールが飲みたい』とおっしゃいますね。ほどよい辛さと酸味で一度舌がリセットされる感じで、けっこうビールが進みます」
さきほど紹介した「ひねキングカレー」同様、お酒が進みそうな「四万十ぶしゅかんグリーンカレー」。あまりのおいしさに食べすぎや飲みすぎには注意したいところだ。
酸味: ★★★★☆
さっぱり感: ★★★★★
野菜不足を補えるカレー
「つぶつぶコーンと野菜のカレー」(税込540円)は、ランチに「から揚げ定食+ご飯大盛り」といったようなメニューを食べているサラリーマンにぜひともおすすめしたい。
「普段野菜を食べない方でも、カレーなら食べられますよね。中身には野菜しか入ってないですが、かぼちゃとじゃがいもが入っているので、食べごたえはありますし、結構ガッツリいけます。味は、トマトの酸味とほどよいスパイス感を堪能できます」
こちらのカレーは農家の人がつくっているため、たっぷりの野菜をお手頃価格で楽しめる。日頃から野菜不足を実感しているような人は、試してみるといいだろう。
野菜充実度: ★★★★★
満腹感: ★★★★☆
一期一会の気持ちでカレーと向き合う
ご当地レトルトカレーはJAや商工会議所、農家が生産を手掛けているケースが多く、大手メーカー発という商品は逆に珍しい。畜産家や農家の方たちが丹精込めてつくった素材が、カレーという形で多くの人たちに食べられていく。中には、ぶしゅかんのように生産地にゆかりのある人以外にはあまり知られていないものもあるだろう。そういった素材がご当地レトルトカレーを通じて全国の人に知ってもらえる。なんとも、いい話ではないか。
早苗さんによると、全国に2,000種類以上もあるご当地レトルトカレーのうち、1割にあたる約200種の製品が毎年入れ替わっているとのこと。新たな商品が次々と出てくる一方で、不人気のため販売中止になったり、逆に人気になりすぎて素材の確保が難しくなり、やむをえず販売休止・中止に追い込まれたりするケースもあるのが現実だ。
それだけに、早苗さんは「カレーとの出会いは一期一会なんですよね」と話す。「まだ見ぬ一杯」と出会いたい人は、ぜひとも一度この「ご当地レトルトカレーの聖地」に足を運んでみてほしい。
※金額はすべて2018年4月取材時点のもの
●infomation
カレーランド
東京都台東区西浅草2-24-7-101
営業時間: 11:00~19:00
定休日(毎週火・水曜日定休のほか、不定期で仕入れ日による休みあり)