前述の新カリキュラム「Everyone Can Create」は、米国の新学期にあたる9月から正式にスタートする。この施策を通じて、Appleは、非力なChromebookではなく、処理能力が高いiPadの優位性をアピールしようとしている。
米国内だけでなく、グローバルにも展開したいこの施策を、ローカルで支えるのがApple StoreでのTeachers Tuesday、ということになる。
今回のテーマは、Everyone Can Createでも中核を担う、ビデオ制作アプリ「Clips」を使って、物語を紡ごうというものだった。英語教師、アンソニー・スティープ氏を招き、英語の授業にビデオ制作を取り入れる手法が紹介された。
ここで強調していたのは「英語の授業は、ビデオ編集の授業ではない」ということだった。
英語の詞や校内ニュース番組制作、ドキュメンタリーなど、ビデオならではの効果的な表現を活用することは目的であっても、主題にはならない。あくまで英語の授業であることから、情報の伝達や自己表現、コミュニケーションが学習のテーマとなる。
Clipsは映像やタイトル画像(ポスター)、写真を、タップしている間だけ記録する仕組みで、非常に素早くビデオを作成できる「仕組み」を提供している。ライブタイトルは喋りながら録画すると音声認識で自動的に字幕が入るというもので、Clipsで人気のある機能だ。
ビデオの収録作業と編集作業を一体化させたような新しい感覚のビデオアプリは、使い方を簡単に覚えられる。その上で、いかに授業の中に上手く取り入れ、生徒たちの表現を引き出すか、という授業内での手法の話に重点が置かれていた。