1時間の中で3つのアクティビティを体験するというのは、iPadでの学習になれていない大人にとっては難しいことだったように見受けられた。しかし、授業はテンポ良く進行していった。
授業の設計ではステップが区切られており、しかもその1つのステップは3分程度。数学のフィボナッチ数列を説明するビデオを作る授業では、まずメモで3行の詩を下書きし、続いてClipsでイントロ部分を収録、その後、作った詩を映像に合わせて吹き込んでいくという3ステップで完成となる。
別の作業に移るとき、先生はClassroomから生徒全員のiPadにロックをかける。その上で、次に使うアプリを遠隔操作で起動し、先生が使っているiPadの画面を見ながらやり方を説明する。生徒の待っている3分の間、先生はClassroomの画面から生徒各自の進捗を確認でき、上手くいかない生徒をピンポイントでサポートできる。
授業を運営する先生の負担なくiPadを授業に取り入れることができる仕組みこそがClassroomの本質なのだ。
テクノロジー面でのサポートを最小限にしながら、授業の進行に応じて端末を一元管理できる機能を提供しており、ロックがかかるとホームボタンを押しても反応しなくなるほど、端末の機能をコントロールできる環境がもたらされる。実際の授業を受けた感想としては、作業と先生の講義のメリハリがつき、授業や課題に集中する環境が与えられるような感覚を覚えた。