毎年3月、大阪と東京でモーターサイクルショーが開催される。クルマ以上にユーザー離れが激しいといわれる二輪業界だが、来場者数は少しずつではあるが増えている。海外事情やクルマ業界との違いを考えながら、「バイクの魅力とは何か?」をもう一度見つめ直してみた。
来場者と車両の距離が近いショーの姿
筆者はジャーナリストとしてはクルマがメインとなっているが、運転免許は四輪車より先に二輪車を取得しており、この仕事に関わる契機になった学生時代のアルバイトも、バイクの書籍の編集手伝いだった。
その後ももっぱら趣味として二輪車に接し続けているので、業界の動向も気になっている。クルマ以上にユーザー離れが厳しいといわれるバイクだが、人気は底を打って上昇に転じているように感じる。
それを実感する場の1つが、毎年3月に大阪と東京で開催される「モーターサイクルショー」だ。筆者は東京在住なので、東京ビッグサイトで開催される後者にここ数年通っているが、年々盛り上がりが高まり、しかも子供や女性など、来場者の層も幅広くなっていることを実感している。
統計を見ると、予想は当たっていた。過去4年間の東京モーターサイクルショーの来場者は少しずつ増えており、今年は14万6,823人を記録していたのだ。開催が3日間であることを考えれば相応の集客力ではないだろうか。
モーターサイクルショーで毎回感じるのは、来場者と実車の距離の近さだ。多くの市販車に実際にまたがることができることが効いている。
クルマが展示されるモーターショーも、市販車であればドアを開けて運転席に座ったりする機会はあるけれど、「またがる」という行為は密着度がはるかに上だし、エンジンやサスペンションといったメカニズムを間近に観察できるのもモーターサイクルショーならではだろう。